田舎へ引っ越して以来、一家は地域の独自ルールや家庭事情にまで口出ししてくる住民たちの存在に悩まされ、ママはパパに「あの人たちとは関わるな」と言っていました。
ある日、隣人・鶴子さん(ツルちゃん)が、香奈ちゃんに「言葉のお稽古」と言って鶴子さん宅へパパと香奈ちゃんを誘います。
そこでは、言葉のお稽古が始まることはなく温かいごはんが用意されました。パパは夢中で食べる香奈ちゃんの姿に驚き、頻繁に鶴子さん宅へ出入りするように……。
ママは香奈ちゃんの寝言で「ツルちゃん」という存在を知りますが、パパは「気が合うみたい」と、それが隣人であることを濁していました。
隣人の育児介入により、すっかり心身ともにゆとりができたパパ。しかし、香奈ちゃんのわがままに苛立つ気持ちはなぜか変わりません。
ゆとりと引き換えに失ったもの
「ツルちゃああああ」
鶴子さん宅から帰宅するや否や、香奈ちゃんは泣きわめきます。
そして、鶴子さんに懐いて、いつでもそばにいようとする香奈ちゃんは、ついにパパを親と認識しなくなりました。
「なぜ俺は、あんなふうになれないんだろう」
娘を可愛いと思えず、ただ与えられた目の前のタスクをこなすだけ。わが子と楽しそうに笑い合う父親の様子に、そんな疑問と漠然とした不安を抱いたのでした。
元々子どもが苦手なパパ。どう接していいかわからず、やるべきことをこなし続けているうちに、いつしか香奈ちゃんとの関わりが義務化してしまったのかもしれません。
どんな気持ちで向き合っているかは、子どもにも必ず伝わります。やるべきことだけに捉われず、香奈ちゃんと一緒にやりたいことや行きたいところなどを考えながら、自分も楽しめる機会を増やすといいかもしれませんね。
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