主人公は、雪国に住んでいる、とあるママ。夫は単身赴任中で、週末しか帰ってきません。そんな中、上の子が小学校に入り、PTAと子供会に所属。子供会とPTAの結びつきは強く、地域安全に力を入れていて、子どもの通学時の安全を守るという名目で一家庭につき月に2~3回、旗振りに立つ日が割り当てられているそうなのですが…。
いざ活動を始めると、いろいろと困ったことが…
小学校に入ったばかりの上の子は、一人でごはんを食べて、一人で登校…。
下の子は、雪の中旗振りの場に立ってガタガタ震えている…。
「自分の子どもたちを犠牲にして、私は一体誰の安全を守っているんだろう…」
とママは思ったそうです。
始めのころこそ、「しんどい…でも仕方ないのかな…」とモヤモヤしつつも言われるがままにやっていたそうなのですが…。
ある日「深夜未明から明日にかけて大雪」という天気予報が。その日は、そのママが旗振りの担当の日。
大雪のなか幼児を連れて旗振り…。以前は必死にやっていたそうですが、大雪の日は車で登校する子も多いので、「未就学の小さな子どもを連れてまで、私が立っている意味ってあるのかな?」と思ったママ。
思い切って、大雪の日は旗振りを免除してもらえないか、旗振りのことを取りまとめている地区長さんに連絡をしてみることにしたのです。
地区長さんの返答は「ダメ」でした。
結局そのママは、がっくりしながら、旗振りの時間に間に合うように、雪が降る中、早朝から担当場所に向かったそうです。上の子を家に置いて、下の子を連れて…。
しかし、旗振りを始めると下の子はガタガタ震えながら、もう嫌だと泣いてしまいました。そして、旗振りを終えて帰る頃には、小さな体は冷え切っていて、頬には乾いた涙のあとが…。かなり着込んで、カイロも持っていたそうなのですが、雪の中、ただ立っているだけなので、冷える一方だったそう。
ママは、下の子も上の子もかわいそうで「やっぱりこんなのおかしいよね…」と活動に対する不信感が募ってきたのです。
※PTAや地区長に言われたからといって、必ずしも旗振り当番をやらなければならないわけではありません。PTA活動はボランティアであり、強制ではありません。
※意義のあるPTA活動によって助かっているお子さん、ご家庭が多々あると思います。ちょっと困ったな、という出来事中心に取り上げておりますが、活動そのものを否定する意図はありません。お話として読んでいただけますと幸いです。
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「子どもたちの安全を守る」という目的のための旗振り。それぞれの家庭の事情はあれど、通常時ならば、そこは何とか調整して子どもたちのためにも協力したいと思いますが、大雪の予報が出ている中ではなかなか厳しいものがありますね。これでは下の子が体調を崩してしまいそうで、心配です。
地区長との話し合いがうまくいかない場合は、さらに上の立場の人に相談してみるのも一案です。1人で抱え込まず、まわりの人に相談し、自分の状況や気持ちをしっかりと伝え、無理なく参加できる方法を模索していきたいですね。