懐かしかったり、子どもが図書館で気に入ったものを自宅用に買ったり、思わず書店でひと目ぼれしてしまったり、さまざまなきっかけで家に増えていく絵本。プレゼントで頂いたものも少なくありません。たくさんの好きな絵本の中から、特に仕掛けに感動した一冊についてお伝えします。
いつも素敵な絵本を選んでくれる義妹
子どもが大好きになる絵本をいつも選んで贈ってくれる夫の妹。有名なこぐまちゃんやだるまさんのシリーズも、彼女が出産祝いにプレゼントしてくれました。なかでも、親である自分まで思わず夢中になってしまったのが、福音館書店から発行されている、わたなべちなつさんの『きょうのおやつは-かがみのえほん-』という絵本です。
図書館や書店でも見たことのないシリーズで、義妹の素敵な絵本を探してくれるセンスに感動してしまいました。
シンプルで奥深い、大人も驚く鏡の仕掛け
この絵本のおもしろさは、鏡の仕掛けと本の開き方にポイントがあります。イラストや本文以外の背景にあたる部分が鏡のように反射するよう銀色に加工され、読むときはページとページが90°の角度になるように開きます。こうすることで、合わせ鏡のように画面に奥行きが生まれ、3Dのような空間が広がるのです。
子どもに読み聞かせながら、大人の私まで「わー! すごいすごい!」と思わずはしゃいでしまいました。
成長に合わせて、遊び方にも変化が
仕掛けがおもしろいだけでなく、成長するにつれ遊び方の幅がぐっと広がるのもリアルな立体世界に引き込まれるからこそかもしれません。1歳になりたてのころはニコニコ眺めるだけで、卵を割るシーンで私が卵を手で押さえて隠し「卵どこかな~? ここでしたー!」などと遊んでいました。
そして、2歳になるとホットケーキをひっくり返す場面でフライ返しのイラストに手を伸ばして、一緒に「ほっ」と返す真似をしますし(もともとイラストが持ち手部分で途切れるように描かれていて、手を添えると自分が料理しているような気分になれます)、できあがったホットケーキを切るまねをして「あったかいね、おいしいね!」と私に食べさせてくれるようにもなりました。
思い入れが深かった絵本のことは、私自身、大人になった今も懐かしく思い出せます。子どもも心に残る一冊を見つけてくれたらうれしいです。『かがみのえほん』シリーズは他にも2冊刊行されているようなのでチェックしてみようと思います。
著者:柴崎諒子
2016年2月長女を出産。2019年3月に第2子出産予定。元雑誌編集部勤務で、企画・編集・営業・ライターを経験。現在は仕事をセーブしつつ子育て優先。妊娠・出産・子育てに関する記事を中心に執筆している。
※参考:福音館書店「かがみのえほん『きょうのおやつは』」