初めての妊娠で、喜びと期待に満ちていた日々――。ところが妊娠30週の健診で、自分のおっぱいが陥没乳頭、扁平乳頭だったという事実に愕然としました。出産という大役を終え、待ちに待った赤ちゃんのお世話は、“おっぱいをあげる”という壁を乗り越えることから始まったのでした。
私のおっぱいって陥没乳頭、扁平乳頭だったの!?
私は20歳で第1子を妊娠しました。もうすぐ会える赤ちゃんに心を躍らせていた、妊娠30週のこと。健診で助産師さんによる、乳頭の手入れ指導がありました。当時まだ若かった私は、他人におっぱいを見せる機会など皆無で、気恥ずかしさでいっぱいでした。ところが、おっぱいを見た助産師さんから「あら! 扁平なの? こっちは陥没気味ね!」と、思わぬ言葉が……。このとき初めて自分の右のおっぱいが陥没乳頭で、左のおっぱいが扁平乳頭であることを知ったのです。赤ちゃんへの授乳がしづらいことを説明され、恥ずかしさなんてどこへやら、ショックで呆然としました。
母乳をあげるべく、乳頭マッサージの日々!
衝撃的な事実を知った日の夜から、さっそく助産師さんに教わった乳頭のマッサージを始めました。お風呂上がりの皮膚が柔らかいときに、指で乳頭をつまみ、そっと引っ張るようにほぐします。やり過ぎると子宮の収縮が起きてしまうので、おなかが張っていないときに毎日少しずつやるようにと言われました。マッサージをすると確かに乳頭が出てくるのですが、しばらくするとまた引っ込んでしまいます。本当に赤ちゃんに母乳をあげることができるのか不安を抱えつつ、出産までコツコツと乳頭マッサージを続けました。
生まれてきたわが子にいざ母乳を!
無事に出産を終えた翌日、助産師さんに付き添ってもらい、初乳を飲ませることに成功! 乳頭をくわえた赤ちゃんを見て、「おっぱいを飲むのがじょうずな赤ちゃんよ」と助産師さんは言ってくれました。しかしその後、ひとりで授乳しようとすると、うまく乳頭をくわえさせられず、赤ちゃんは毎回大泣き。うまくあげられない自分が悔しく、夜な夜な泣いていました。助産師さんから授乳前にしっかり乳頭マッサージをおこなうこと、ラグビー抱き、縦抱きでの授乳方法を教えてもらい、試行錯誤すること5日。退院を目前にして、ついにひとりで授乳できるようになったのです。
根気よく続けていたら、まさかの改善!?
退院後、おっぱいの張りがひどくなったので、産婦人科におっぱいマッサージをしてもらいに行きました。そのとき、担当してくれた助産師さんが「授乳って、みんな苦労するのよ。諦めてミルクにしちゃう人も多いけど、根気強く続けていくうちに慣れてくるものなのよね」と、話してくれたのです。それから助産師さんの言葉を励みに、根気強く母乳をあげること1カ月。本当に慣れてきて、難なく授乳できるようになりました。そして気がつくと、乳頭が伸びたのか、なんと左の扁平乳頭が改善されていたのです。
陥没乳頭、扁平乳頭は母乳をあげにくいものの、妊娠時からお手入れをすることで、母乳をあげることができました。乳頭をマッサージしておくなど、出産前からできることがあると知れてよかったです。根気強く続けることで、母乳を問題なくあげられるようになり、たまたまですが乳頭の改善もできました。助産師さん、赤ちゃんに感謝しています。
著者:沢田真紀子
自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。