私の足の上から聞こえた音の正体
祖父が亡くなったと連絡が来たのは早朝でした。老衰で「もう長くはない」と、父から聞かされていたので覚悟はできていました。祖父の家は私の住まいから車で4時間以上かかるところ。そのため私と夫は生後3カ月の長女を連れて急いで向かったのですが、到着したときにはすでに納棺が始まっていました。
祖父の親戚もたくさん家にきていて、静寂に包まれた部屋。長女はようやく首がすわったなというくらいでしたが、外では比較的おとなしくできる子だったのでお葬式に連れて行くことに心配はなく、静かにしてくれていると思っていた私。
すると突然、納棺中に「ぶりっ、ぶりぶりぶりっ。ぶりっ」と大きな音が。私は一瞬にして凍りつきました。私が正座した上に長女を置いて抱っこしていたのですが、私の太ももの上では生温かい感触と、「ぶりっ」という音に合わせた振動が……。
音だけでおさまらずダブル悲劇
音の正体は、長女の大便でした。長女が大便するときに大きい音が鳴ることは、あるにはあったのですが、まさか納棺のタイミングで起こるとは……。私はとにかく静粛なこの場から去らなければと思い、違う部屋で長女のおむつを替えようとしたところ、タブルで悲劇が起きました。
大便はおむつにおさまらずはみ出し、長女の服が大便だらけという事態になっていたのです。結局、私はすぐにその場を離れて、長女のおむつ替えと着替えをさせることとなり、納棺にほとんど立ちあえず……。また、空気を乱してしまい、集まっていた人々に申し訳なさでいっぱいになりました。
生理現象なのでどうすることもできずしょうがないことですが、一生忘れることのできない出来事となりました。祖父には心の中で「大事なときに大便をかましちゃう孫だけど、天国からあたたかく見守ってあげてね」とお願いしたことを覚えています。
著者:松谷 えりな/30代女性。令和元年生まれの息子と、平成28年、平成30年、令和2年生まれの娘たち4児のママ。教員免許保持。子ども4人と夫、ペットのわんちゃん1匹と暮らしており、趣味は子どもたちといろいろな公園へ遊びに行くこと。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)