田舎へ引っ越して以来、一家は地域の独自ルールや家庭事情にまで口出ししてくる住民たちの存在に悩まされます。ママはパパに「隣人たちとは関わるな」と話していましたが、育休中のパパと香奈ちゃんは隣人・鶴子さん(ツルちゃん)に自宅へ招かれ、毎日のように鶴子さん宅へ入り浸るようになります。
香奈ちゃんはすぐに鶴子さんに懐き、次第にパパよりも鶴子さんの存在を求めるようになりました。ワンオペが解消され、心身ともにゆとりができたパパ。しかし、なぜか香奈ちゃんに苛立つ気持ちは変わりません。
娘が生まれてから趣味も友人関係も生活環境も仕事も、すべてを犠牲にして子育てに専念していたパパは、鶴子さんが現れたことで、「父親」という立場すら失いました。
今まで積み重ねてきたものをすべて失い、空っぽになったと感じたパパは……。
「育児を頑張る」ことを放棄
「今日はツルちゃんなしだわ」
パパのその言葉を聞いた香奈ちゃんは、大声で泣き始めました。
そんな香奈ちゃんに有無を言わせず連れて帰るパパ。
「親として最低限の義務を果たしてれば文句はないだろ」
「ごめん香奈、もう俺は頑張るのをやめたんだ」
香奈ちゃんと向き合ったり、育児を頑張ることをやめたパパは、泣き続ける香奈ちゃんから目を背け、イヤフォンをして泣き声をシャットアウト。ゆったりと自分時間を没頭する選択をしたのでした。
子どもに泣き叫ばれたパパが嫌になる気持ちもわかります。しかし、香奈ちゃんはまだ言葉では感情表現がうまくできない時期。言葉の代わりに泣くことで意思を伝えようとしてくれています。親は気持ちをしっかりと受け止めてあげたいところ。
香奈ちゃんが落ち着くまではしっかりと見守り、気持ちに寄り添いながら少しずつ状況を受け入れられるようパパにはサポートしてもらいたいものですね。
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