妊娠すると鼻血が出やすくなる理由と、赤ちゃんへの影響や対処法について

2018/11/26 19:00
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この記事では妊婦さんの鼻血について、医師監修のもと解説します。お母さんが1番心配に思うのは鼻血が出ることでお腹の赤ちゃんに影響があるのかということではないでしょうか。結論からいうと、お腹の赤ちゃんに影響はありません。ただし、頻回に鼻血が出る場合はお母さんが貧血になりやすい状況ともいえます。
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鼻血が出ている妊婦さんのイメージ

 

妊娠中は鼻血が出やすいという話を聞いたことはありますか? 実は妊娠中に鼻血が出て困ったという妊婦さんが意外と多いのです。妊娠中は少しの身体の変化にも敏感になり、悩みがちですよね。そんなときに鼻血が出たら、お腹の赤ちゃんに影響はないのか、経過が良くないのではないかと不安になってしまうものです。ここでは妊娠中に鼻血が出やすくなる原因や対処法などについてご紹介していきます。

 

妊娠中に鼻血がでやすい理由とは?

妊娠前は鼻血を出したことがほとんどなかったのに、妊娠した途端鼻血が出やすくなったという人も多いかもしれませんが、その原因は大きく2つあります。

 

1つ目は「ホルモンバランスの変化」です。妊娠中は出産に備えて女性ホルモンがたくさん分泌されます。そのため、体内のホルモンバランスが大きく変化します。これにより妊婦さんは、個人差はありますが、吐き気(つわり)や感情の起伏が激しくなったり、倦怠感や風邪をひいたようなだるさを感じたりするのです。それに伴い、ホルモンバランスの乱れによって自律神経も影響を受ける場合があります。自律神経のバランスが乱れると鼻の中の血管が拡張されてしまい、鼻血が出やすくなります。


2つ目は「血液量の変化」です。妊娠するとお腹の赤ちゃんに酸素を送るためにお母さんの血液量が増えます。血液量の増加によって血管への圧力が増すために、少しの刺激で鼻血が出てしまう妊婦さんが多くいるというわけなのです。

 

鼻血は妊婦さんやお腹の中の赤ちゃんに影響あるの?

お母さんが1番心配に思うのは鼻血が出ることでお腹の赤ちゃんに影響があるのかということではないでしょうか。結論からいうと、お腹の赤ちゃんに影響はありません。ただし、頻回に鼻血が出る場合はお母さんが貧血になりやすい状況ともいえます。お母さんが貧血になると、お腹の赤ちゃんに与える鉄分が不足するだけでなく、効果的な陣痛がつかず出産が長引いたり、産後の体力回復が遅れたりしてしまいますのでかかりつけ医に相談してみることをおすすめします。


鼻血が出た時の対処法

鼻血が出ると慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いて対処するようにしましょう。普通に座った状態の姿勢で親指と人差し指で鼻をつまんで押さえます。鼻血を止めようと上を向いたり、仰向けで横になったりしてしまいそうですが、大量の鼻血が喉に流れてきて気持ち悪くなってしまうこともあります。出来るだけ座ったまま血を止めるように試みてください。

 

どうしても座っていられない人は横向きで寝ると良いでしょう。5分くらいすると鼻血は止まってくるはずです。よくやりがちなティッシュを鼻に詰める方法は実のところ逆効果で、ティッシュを抜くときに固まった血がはがれて再度出血してしまうこともあります。なかなか止血できないときは冷たいタオルや保冷剤などを使って鼻を冷やしてみるのも良いでしょう。血管が縮まり、血が止まりやすくなります。それでも30分以上止まらない場合や、かなりの量の出血をしている場合は受診した方が良いか病院へ相談しましょう。

 

鼻血を予防することはできる?

鼻血が出やすいことは妊婦さん特有の身体の変化からくる症状の1つです。そのため予防することは難しいといえます。多くの妊婦さんは出産を終えると治まるでしょう。しかし、少しでも予防できるなら予防したいものですよね。鼻血の原因の1つに鼻の乾燥が挙げられます。マスクを着用したり、鼻の穴に保湿クリームを塗ったりして鼻の中が乾燥しないように気をつけてみましょう。鼻血以外にも妊娠中は喉をいためたり、お腹に痒みが出たりと乾燥によるトラブルが少なくありません。加湿器を使って室内の乾燥を予防することもおすすめです。


その他にも鼻血の予防ではありませんが、上記で挙げた通り、妊婦さんの身体は貧血になりやすい状態にあります。そこで鉄分を多く含む食品を摂ることで鼻血による貧血を予防することができます。食事で鉄分を補うために頭に入れておきたいのは、鉄分には2種類あるということです。動物性食品で摂ることができるのは「ヘム鉄」で赤身肉やレバー、あさりなどに多く含まれています。一方、植物性食品で摂ることができるのは「非ヘム鉄」で大豆や切干大根などに多く含まれています。

 

ヘム鉄は身体に吸収されやすい性質を持っていますが、ヘム鉄を含む肉や魚をたくさん食べることは難しいですよね。非ヘム鉄を含む野菜や海草類は手軽に多くの量を口にできますが、身体への吸収率は低めで他の栄養素との食べ合わせが重要となります。どちらも貧血の予防に効果があるのでそれぞれの特性を生かして積極的に摂取したいものです。

 

まとめ

妊娠中の悩みごとの1つとして鼻血が出やすくなることがありますが、赤ちゃんに影響はありませんので心配はいりません。お腹の赤ちゃんを守るためにお母さんの身体は日々変化し、身も心も母になる準備をしています。鼻血を予防することは難しいですが、乾燥を防いだり、貧血の予防のため鉄分を摂るように心がけましょう。

監修者

医師 太田 篤之 先生

産婦人科 | おおたレディースクリニック院長


順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。

 

 

■主な経歴

平成12年3月 順天堂大学医学部 卒業

平成12年5月 医師国家試験合格

平成12年5月 順天堂大学附属順天堂医院において臨床研修

平成13年10月 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科移動

平成14年4月 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科助手

平成14年10月 順天堂大学産婦人科学講座 助手

平成15年4月 順天堂大学大学院医学研究科 産婦人科学専攻課程入学

平成17年10月 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医

平成18年10月 越谷市立病院産婦人科勤務

平成19年3月 順天堂大学にて医学博士の学位授与

平成20年4月 順天堂大学附属順天堂医院産婦人科助教

平成21年10月 順天堂大学附属静岡病院勤務

平成22年1月 順天堂大学附属静岡病院総合周産期センター准教授

平成23年1月 順天堂大学産婦人科非常勤講師

平成24年8月 おおたレディースクリニック院長就任

 

■所属学会

日本産科婦人科学会

日本周産期・新生児学会

日本超音波医学会

日本婦人科腫瘍学会

日本産科婦人科内視鏡学会


HP:おおたレディースクリニック
住所:神奈川県伊勢原市伊勢原2-2-12
TEL:0463-93-0383


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