義妹からの呼び出しを断らない夫
夫は、とても家族愛の強い人。ここで言う家族とは、夫の両親や兄妹です。以前から夫のことは「マザコンだな~……」とは思っていましたが、常識の範囲内で許せるものでした。私も夫の家族愛が強いことをわかったうえで結婚したので、今さらとやかく言うつもりはありません。私が気になっているのは、隣県に住む、夫の7つ年下の義妹に対するシスコンぶりなのです。
もともと私たちが入籍する前から、義両親や義妹夫婦とは年に数回、交流がありました。特に姪がいる義妹宅へは、かわいい姪と過ごすひとときが楽しかったこともあり、私たちは結婚前からよくお邪魔していたのです。
そして、私は31歳のときに夫と結婚。ほどなく長男を授かりました。当時の夫は仕事が激務で、休みはほぼない状態。だからこそ、たまの夫の休日は家族3人で過ごしたいと思っていましたが、そんな日に限って義妹から呼び出しがかかるのです!
エスカレートしていく義妹からの呼び出し
義妹が夫を呼び出す口実も、私にしたら「何で夫に言うの?」と思うものばかり。
「娘のピアノの発表会(または運動会)があるから来て」
「朝5時から潮干狩りに行きたいから前日から泊まりに来て」
「○○へ買い物に行きたいから付き合って」
さらには、まだ私たちの息子が授乳時期にもかかわらず、「大部屋の雑魚寝なら安いから、みんなでお泊まり旅行に行こう!」という誘いも。夫も夫で断ることをせず、義妹の呼び出しはどんどんエスカレート。義妹宅へ行くたび「来週は○○ね♡」と義妹に言われるがまま、私に確認をとることもせず、夫は勝手に約束してしまうのです。
我慢の限界がきて夫にブチギレ!
あるとき、いつものように義妹から「夫が出張で娘が寂しがっている。娘は自転車で転んじゃってケガもしたの」との内容で、夫に呼び出しがありました。ケガといっても、少し足を擦りむいただけのようでしたが、夫は「行ってあげようと思うんだけど……」と私に相談。聞かされた私は、ついに我慢できなくなってブチギレてしまいました。
「姪がケガしたのは心配だけど、自転車の練習中にケガをすることなんてよくあることだし、骨折でもないのに、私はお見舞いには行けない!」
「もし、あなたが出張へ行くことになったとして、出張中に私たちの息子が寂しがっていたら、義妹家族はわが子を後回しにしてでもうちの息子に会いに来るの!?」
「それでなくても少ない休みなのに、いつもあなたは寝ているか義妹家族と一緒に過ごすかで、私たち家族3人で過ごす時間はどこにあるの?!」
「あっちはあっちの世帯、こっちはこっちの世帯! 義妹家族と一緒に生きていくためにあなたと結婚したわけではないのよ! 毎週毎週、付き合ってられない!!」
積もりに積もった不満を、ここぞとばかりにぶつけてしまいました。私の剣幕に、夫はハトが豆鉄砲を食らったような顔。それでも基本的に落ち着いて話を聞いてくれる性格の人なので、ポカーンとしながらも黙って聞いてくれました。
そして、「わかった。確かに僕たち家族3人の時間はなかったね。うちの親族はみんな、ことあるごとに絡んでいたから、それほどベタベタしている感覚はなかったけど、確かにそうだね」と、私の考えに理解を示してくれました。
そして、義妹に「仕事が入ったから行けなくなっちゃった。しばらくバタバタしそう」と断ってくれて、その後は無事に家族3人での時間を持てるようになったのでした。
今でもときおり遊びに行くと、次の約束を取り付けようとしてくる義妹ですが、夫は即断しないで、私の様子をうかがいながら決めてくれるようになりました。うれしかったのは、夫が義妹の誘いを断るときに「妻がこう言っているから……」と正直に言わず、「仕事で……」などとごまかして双方を気づかってくれたことです。
もちろん、夫が家族を大切にすることは本当に素晴らしいと思います。けれど、わが子との時間も同じように大切にしてほしいと思ってしまった経験でした。
文:比良亮子/女性・主婦
イラスト:アゲちゃん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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