お下がり服をもらった3年後…
息子が生まれて1カ月たったある日、私たちは車で30分ほどの距離にある義母の家へ行きました。そのとき、初孫である息子が生まれて大喜びした義母は、お祝いだと言ってたくさん服をくれました。新しい服の中に古びた服が数枚あったので念のために確認すると、夫が小さいころに着ていたものだと言います。しかし1~2歳が着るようなサイズで、生まれたばかりの息子には大きいものばかり。義母は「息子の思い出が詰まった服だから、孫ちゃんに着てほしいの」と渡してきました。一枚一枚を愛おしそうに眺めながら「この服は私の母が縫ってくれたもの……。この服は私の父が買ってくれたもの……」と思い出を丁寧に説明する義母。義母の大切な思い出の服をもらうのは申し訳ないと思った私は、「息子はまだ小さくて着られないですし、汚してもいけないので……」と断りました。しかし義母は「持って帰って! 孫ちゃんが着てくれるのがうれしいんだから、あげたいの!」と言います。その場にいた夫も「まだ着られるサイズじゃないし、今日はいいよ」と言うも、結局強引に押し切られて持って帰ることに。
それから3年が経ち、息子は3歳に。2歳になるまでの間に、夫が着ていたという服を何度か着させようとしましたが、肌触りが気に入らないのか息子は嫌がって着ませんでした。
そんなある日、義母から電話が。電話口の声は少し不機嫌そうで「貸してあげた服はいつ返してくれるの!?」と言われました。義母に服を貸してもらった覚えはなかったので「何のことでしょうか……」と恐る恐る尋ねると、「私の両親の思い出が詰まった服よ! 孫ちゃんに貸してあげたでしょう!? いい加減返してくれないと困ります!」と憤怒した様子で話す義母。私は「あげる」と言われた記憶があったので、この電話にビックリ! 「ごめんなさい、もらったものだと思っていたので……」と謝ると、「あんな大切な服、あげるわけないじゃない!」と怒られてしまいました。あまりに一方的に怒られるので私は「あのとき断ったのに、何度もしつこく受け取るように言ってきたのはそっちじゃん」とモヤモヤ……。結局、次の休みの日に返しに行くことに。
帰宅した夫に一連の流れを話すと「わかった」とだけ言います。次の休みの日、義実家へ行くと夫は義母に会うなり「俺ら、母さんにとって大切な物だしサイズも大きいから、最初から持って帰らないって言ったよね?」と言い、「自分が勝手にプレゼントしたものを、返せって怒るのは違うでしょ」と伝えます。義母は「だって大切なものだったから!」と言いますが、「母さんはあげるって言ったんだよ?」と反論。義母は夫に一喝されたことで、それ以上は言い返さず、「いつのまにか貸したつもりになっていたみたい……。ごめんなさい」と私に対して怒ったことを謝ってくれたのでした。
お互いの認識の違いで、今回の出来事が起こってしまいました。普段からなんでもプレゼントしてくれる義母ですが、今後は義母の思い出の物はもらわないようにしたいと話しました。必要のないものははっきりと断って、受け取らないことにしようと学んだ出来事です。
著者:高橋くるみ/30代・会社員。3歳の男の子を育てるママ。元気すぎる息子との生活に日々奮闘中。趣味は動画を観ること。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年2月)
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