理不尽な要求に戸惑っていると…
タクシー乗り場に行くと、30代ぐらいのサラリーマンが1人と50代ぐらいの女性グループが1組待っていました。順番を待ちながら小児科に電話を掛けていると、電話の内容が聞こえたのか、女性グループが「子どもちゃん大丈夫? 具合悪いの? 順番譲ってあげるから、早く病院に連れて行ってあげて!」と声をかけてくれたのです。さらにその前にいたサラリーマンも「つらそうだから先に行きな!」と順番を譲ってくれ、「ありがとうございます」と言いながら、皆さんのやさしさに私は涙が出そうになりました。
ちょうどタクシーが来たので、皆さんにお礼を伝えて乗り込もうとしたそのときです! 「ちょっと先乗せて!」と先頭に向かって歩いてくる70代後半の老人男性が。「若いねんから、弱い年寄り優先やろ!」と言います。息子の体調が悪いので戸惑っていると、「あんたは次のに乗ればいいのになんで譲らんねん!」と怒りだしました。それを聞いたサラリーマンと女性グループは「何言ってるんですか? この人が先に並んでたんだから、何も悪くないでしょう!」「子どもが体調悪くて、急いで病院に行かないといけないのよ! 並んでいたわけでもなく今来て、堂々と順番を抜かすなんて非常識よ!」「そうよ、それにそんなに大声で怒れるなら全然元気じゃないですか。きちんと後ろに並んでください!」と総出で反撃してくれたのです。見る限り、ご老人はスタスタと歩いてきたので確かに元気そう。大勢に責められ、さすがのご老人も言い返すことはなく、ブツブツ文句を言いながらどこかへ行ってしまいました。順番を譲ってもらった立場なのでご老人に強く言えず困っていましたが、2度も救ってくれてなんとお礼を言ったらいいのかわからないくらい感謝の気持ちでいっぱいに。改めて皆さんにお礼を伝えてタクシーに乗り、無事に子どもを病院に連れていくことができました。診断の結果息子は季節性の風邪で、数日で回復したのでよかったです。
ご老人の理不尽な怒りに戸惑いましたが、初めて会った名前も知らない方たちに救われ、言いたかったことをすべて代弁してもらえてうれしかったです。私も困っている人がいたら、手を差し伸べられる人でありたいと改めて思った出来事でした。
著者:立川りか/30代・ライター。6歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年2月)
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