つらいけど言い出せない
独身で仕事をバリバリこなしていた20代前半のころ、私は毎月ひどい生理痛に悩まされていました。当時、飲食店にホールスタッフとして入社したばかり。その日は朝から特に鈍い痛みに襲われ、仕事前に痛み止めの薬を飲んでいたものの効いている感じはなく……。
痛みに耐えながらずっとおなかを押さえている状態でした。
周りの気づかいと理解に感涙
まだ他のスタッフとそれほど親しくなれておらず、「おなかが痛い」と言い出せず我慢していました。そんな私に「体調悪いの? もしかして生理痛?」と1人のパートさんが声をかけてくれたのです。
パートさんは「言いづらかったよね。ここの職場、生理痛がつらい人も多いから遠慮なく言って!」と笑顔で背中をさすってくれました。私は気づいてもらえたことがうれしかったのと情けなさで、思わず涙目に。
職場では店長以外は女性だったので生理に対して理解があり、パートさんから遠回しに店長に私の体調のことを伝えてくれました。他のスタッフからも気づかいの言葉や、なかには温かいお茶を持ってきてくれる人もいて、やさしさでさらに涙が……。
時々休ませてもらいながら仕事をこなし、無事に1日を乗り切ることができました。
生理の人をカバーし合う職場
その後も他のスタッフが生理痛で体調が悪いときには、周りのスタッフでカバーし合い乗り越えていました。女性ばかりの職場でも、体調が悪いスタッフに対してトゲのある態度をとる人はおらず、男性である店長も、既婚者ということもあってかよく理解してくれていました。
友人からは「生理に関してこんなに配慮してくれる職場は珍しいよ」と何人にも言われ、恵まれた環境に感謝した出来事でした。
こんなにも生理に理解がある職場とは思いませんでした。毎月のように生理痛に悩まされていた私は、この出来事のおかげで仕事を続けていくうえでとても安心したことを覚えています。
また、自分が気づかってもらうだけでなく、同じように生理痛でつらい思いをしている人が周りにいたら声をかけてあげようと思うようになったきっかけでもありました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:樋山ゆり菜/女性・主婦
イラスト:すうみ
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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