動きが鈍いことを責められた
私が大学生のころに入会していたダンスサークルでのお話です。私は普段は指示通りに動けるのですが、生理中となると「ナプキンがずれて漏れないかな」と心配になり動きが少し小さくなってしまいます。また、生理痛や体のだるさのせいで動きが鈍くなることがほぼ毎回ありました。
そんなダンスサークルにいたのが、生理が軽く、痛みや体のだるさ、眠気などの症状があらわれないという先輩。私は生理中でも普段通りに動ける先輩をうらやましく思っていました。私は生理が重く、生理中は普段通りの日常生活が送れないことが多かったので、「私も先輩みたいに生理が軽かったらな」とよく思っていたのです。
ある日、私の生理とサークルの活動日がかぶり、私はいつもよりうまく動けずにいました。うまく動けない、と言ってもこの日はいつもより少し生理が軽かったので、ちょっとだけ動きが鈍い程度だったと思います。しかし、ダンスは一緒に踊るメンバーとのタイミングが重要。少しの遅れも許されず、私は1曲踊ったあと先輩に呼び出されました。
私は先輩に、生理中であることを伝えると、「だから何?」と冷たい返事が。さらに、「生理なんて血が出ているだけ。ナプキンで動きにくいけど薄いものを付けていれば支障ない」とも言われたのです。
サークルをやめようか迷うことも…
私は経血量が多く、昼間でも夜用ナプキンをつけていないと漏れてしまう日もありました。先輩は、私がどれだけ自分の生理について話をしても納得してくれません。それどころか、「そろそろ生理? 今日はちゃんと踊ってよね」「生理だからって休まないで」と言われるようになったのです。
最初は誰もいないところでこっそり言っていた先輩でしたが、次第にエスカレートしみんなの前でも言うように。
私はそれが本当に嫌で、サークルをやめようか迷うこともありました。
男の先輩が間に入って話をしてくれた
ある日、「今日は生理?」とみんなの前で言われ、作り笑いで対応しようとすると、男の先輩が先輩に話しかけてきました。
彼は「生理の痛みって人それぞれなんじゃないのか?」「お前は平気かもしれないけど、こいつは違うかもしれないだろ」と話してくれたのです。
さらに彼は私に「体がつらいならサークルなんて休んでもいいし」と言ってくれました。その日から先輩は私に嫌味を言うこともなくなり、必要最低限の会話しかしなくなりました。
どうやら私が先輩から責められているのを見て、同級生たちがどうしたらやめてくれるか話していたようです。たまたまその会話を聞いた男の先輩が間に入ってくれたとあとから聞きました。そして以降は、同期や男の先輩のおかげで楽しくサークル活動できるようになったのでした。
著者:佐藤里桜/女性・主婦
イラスト:アゲちゃん
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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