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赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の予防にいいボディソープや対処方法を解説!

この記事では赤ちゃんのアトピー性皮膚炎について、医師監修のもと解説します。アトピー性皮膚炎は、「皮膚のバリア機能の異常」と「乾燥」が発症する要因となりますから、症状をできるだけ抑えるために、皮膚の保湿や皮膚を清潔に保つなどのスキンケアが大切となります。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師松井 潔 先生
小児科 | 神奈川県立こども医療センター 産婦人科

愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
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赤ちゃんスキンケアのイメージ

 

赤ちゃんの皮膚が赤く、湿疹ができている場合には、乳児湿疹かアトピー性皮膚炎の可能性があります。アトピー性皮膚炎の場合は、長期間に渡って症状が続くため心配になる方もいると思います。今回は、アトピー性皮膚炎の原因、症状、乳児湿疹との違い、治療法と予防法などについて解説します。

 

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う湿疹やカサカサとした状態が軽快と悪化を繰り返しながら慢性的に続く病気で、遺伝要素や外的要素(汗やアレルゲンなど)が要因となります(※1)。そして「皮膚のバリア機能の異常」と「乾燥」が起きているところに、さまざまな刺激やアレルギー反応が加わることで発症します。

 

健康な皮膚は、表面にある角質層とそれを覆う皮脂膜、そして角質と角質の間を埋めるセラミド(細胞間脂質)によって水分が保たれています。これらは外部からの刺激が身体の内部へと侵入するのを防ぐ役割も果たしています。このような保水とバリア機能が低下することで、外部刺激を受けやすくなり、湿疹やかゆみなどの症状が現れるのです。

 

■アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の違い

アトピー性皮膚炎と同じ症状で赤ちゃんの皮膚トラブルに乳児湿疹があります。乳児湿疹とは、乳児期に起こる湿疹の総称です。乳児の肌が刺激に敏感なことや、よだれによって口の周りが汚れやすいことなどさまざまな要因があります。乳児のアトピー性皮膚炎の診断基準は、「アトピー性皮膚炎の症状が2カ月以上続いている」ということなので、2カ月以内に治まるものは乳児湿疹となります。

 

アトピー性皮膚炎の治療方法と対処方法

アトピー性皮膚炎は、遺伝的素因や外的要因(汗やアレルゲン、細菌)など、さまざまな要因が重なることで発症するため、アトピー性皮膚炎そのものを完治させる方法は確立されていません。成長に伴って改善に向かう場合もありますが、皮膚の症状によって生活に支障をきたすことがあるため、次のような状態に改善させることを目標として治療をおこないます。

 

・無症状、あるいは症状が軽いことにより日常生活に支障をきたしておらず、薬物療法もほとんど必要ない状態。

・軽い症状が続いているものの、症状の急激な悪化は稀で、悪化したとしてもその状態が続かない状態。

 

アトピー性皮膚炎の治療は症状を抑える対症療法をおこない、炎症を十分に抑える効果が認められているステロイド外用薬を使用します。ステロイドではなく抗炎症薬である「非ステロイド系消炎外用薬」を使用することもありますが、ステロイド外用薬と比べて炎症を抑える効果が低く、皮膚のかぶれを起こすこともあるため、基本的にはステロイド外用薬を中心とした薬物療法をおこないます。

 

アトピー性皮膚炎の予防方法

アトピー性皮膚炎は、「皮膚のバリア機能の異常」と「乾燥」が発症する要因となりますから、症状をできるだけ抑えるために、皮膚の保湿や皮膚を清潔に保つなどのスキンケアが大切となります。毎日のお風呂で皮膚に刺激を与える汗やアレルゲン、細菌などを洗い流し、その後は保湿することによって皮膚のバリア機能を高めてあげるということが効果的となります。体を洗う際は、せっけんやボディーソープによっても皮膚に刺激が加わることがあるので、添加物が少ない低刺激のものを使うと良いでしょう。

 

まとめ

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要素と外的な要素などが要因となり発症するため、完治させる方法は確立されていません。そのため、外的要素の対処をしつつ、ステロイド外用薬で皮膚の炎症を抑えることで、アトピー性皮膚炎による生活への支障を防ぐことが大切となります。

 

アトピー性皮膚炎にしっかり対処するために、毎日の皮膚の保湿や皮膚を清潔に保つスキンケアをおこなうことと、乳児湿疹がひどい場合や乳児湿疹と思われる症状が長く続いている場合は、早く受診しましょう。

 

参考:

※1.日本皮膚科学会「日本皮膚科学会ガイドライン アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016

 

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