手術するも再発
ステージ4の胃がんと診断された父は、その後手術で胃を全摘出しました。思うように食事ができず、体重は10kgも減りました。
それから1年半後、再発した父。もう手術はせず、抗がん剤もやめて免疫療法に切り替えながら自宅で過ごすことにしました。「最期は大好きな家で過ごしたい」という思いが父の希望でした。
父の最後の願いをかなえたい
父の希望をかなえるため、訪問診療と訪問看護に切り替えました。医師や看護師さんと一緒にみんなで父を支え、情報を共有し合う毎日が続きました。
しかし、在宅の診療ではできることが限られているので、何度も病院に入院させようと考えたことも。ですがコロナ禍だったこともあり、「今入院させたら、面会はおろか病院で息を引き取ってしまうかも……それでは父の願いが果たせない」と思い、みんなと相談した結果このまま自宅で過ごすことにしました。
父の死を自然に受け入れた瞬間
父が亡くなる1週間前は、ろくに睡眠も取れないまま毎晩お世話をしました。さすがに体力の限界を迎えたある夜、苦しんでいた父の顔がふとやわらかい表情になり、顔の血色も変わったのです。「お迎えが来たのだ」と、父の死を自然に受け入れた瞬間でした。その後、父はみんなに見守られながら静かに息を引き取りました。
まとめ
延命治療をせず自宅で家族にみとられることを選択した父。静かに息を引き取ることは、本来の人間の姿のように感じました。私の友人の父親は、延命治療のためたくさんの管を体中に通して苦しみながら亡くなってしまったという話を聞きました。その話を聞くたびに、「私の父親はこれでよかった」と自分に言い聞かせています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:南佳代子/50代女性・主婦。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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