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「あんたは私みたいになるわ」妊娠を報告した私に、過去を語り始めた母。え?冗談?何なの?母の重たすぎる真意とは

妊娠がわかったとき、母に報告しました。最初に返ってきたのはうれしそうな祝福の言葉。でも、そのすぐに届いたのは、思わず目を疑うメッセージでした。母の言葉の真意を知ったとき、私は思わず固まってしまいました。

 

自分と同じ運命になると言い出す母

妊娠が判明したばかりの妊娠10週目のころ、母は私の妊娠を喜んでくれました。ところがその直後、「あんたも、私みたいになる」と言い出したのです。突然の言葉に戸惑う私に、母は自分の過去を語り始めました。

 

「私があんたを産んだとき、お義母さんに『なんだ、女の子か』って言われてね……すごくショックだったのよ」

 

その後、母は「第1子は絶対女の子だよ」「私と同じ運命になるはず」と繰り返すようになりました。母の言葉を聞いて、最初は冗談かと思いました。でも、何度も「女の子だよ」「同じ運命になる」と繰り返す母の様子に、ただの予想や期待ではない何かを感じ始めました。

 

けれど、そんな母の思いをすぐに受け止めることはできず、私は少し距離を置くようにして、「まだわからないよ」とだけ返しました。どこか、あきれた気持ちも混ざっていたと思います。

 

義母はというと、「男の子でも女の子でもうれしいが、女の子な気がする」と穏やかに話していました。

 

 

それなのに、母は勝手に、義母も第1子は男の子を希望しているはずだと思い込んでいるようでした。そして、妊娠5カ月の健診で男の子だと性別がわかり、私は母にエコー写真を見せ、医師がはっきりと男の子だと断言していたことを伝えました。

 

それでも母は、「まだわからない」などと言い張るのです。私は母が信じてくれないことに腹が立ち、次回の健診のときに一緒に行く約束をしました。健診では一緒にエコーを見て、医師が男の子だとはっきり言ってくれたおかげもあってようやく納得した母。

 

しかし、産婦人科からの帰り道、女の子だと信じ込んでいた母は、「なぜなの」とつぶやきながら、混乱しているように見えました。母自身が受けた心の傷。その痛みを誰かと共有したい気持ちが、無意識のうちに「同じ運命にさせよう」とする言動につながったのではないか……そんな風に感じました。

 

「男の子でも女の子でも、私はどちらでもうれしいよ。もし実際に女の子が生まれて、お義母さんががっかりしたとしても、私は気にしない」

 

そう伝えると、母は、何かハッとした様子で「そうよね」とだけ言ったきり性別の話題はなくなりました。

 

 

母が私にも、かつて義母にがっかりされた経験をなぞらせようとしていたのかもしれないと思うと、なんだかモヤモヤした気持ちになってしまいました。そんな母も、息子が生まれると一変。性別の話は一切しなくなり、目尻を下げて息子に話しかける姿は、まさにメロメロそのものでした。今や毎日のように写真を撮りたがり、笑顔で抱っこして離しません。あのときの母の傷は、孫の笑顔によって少しずつ癒えていったのかもしれません。

 

母の考えや気持ちに、正直、振り回されたと感じた出来事でしたが、母が息子を溺愛している様子を見ているうちに、だんだんと「まぁ、いっか」と思えるようになりました。母のなかに消えない傷があったのかなと思いますが、孫をかわいがるうちに、母の気持ちも少しずつやわらいでいるなら、それでいいかなと思っています。

 

また、私自身、わが子たちが結婚して子どもができたとき、息子に対しても娘に対しても性別についてどちらを希望するかのような発言はしないよう気をつけようと心に決めました。

 

 

著者:北川さくら/30代女性/2018年生まれの男の子、2019年生まれの双子の女の子を子育て中のママ。幼稚園を2年、認定こども園を2年の勤務経験あり。自身の経験をもとに妊娠、出産、育児の体験談を執筆している。

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)

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