お酌は女性がするべきなの?
夫には男兄弟しかいなかったため、結婚当初、義父は私のことをとても歓迎してくれていたように見えました。ただ、私が予想していた関わり方ではなかったのです。というのも、お酒が好きな義父は、義母がまったくお酒を飲めないため、私が多少飲めることを知ると「お酌をしてもらう」のを当たり前のように考えていました。
義実家で食事が始まると、まずは「お酒を注いでくれ」と私に言うのです。実家でそういう習慣がなかった私は戸惑いつつも、最初は言われるがまま注いでいました。義父のグラスが空きそうになり、席が近い夫に注いでもらおうとすると、義父は「嫁ちゃんが注ぐべきだ」と私に強要してきます。なんとなく、男尊女卑の価値観のようなものを感じ、すごく嫌悪感を抱いていました。
また、お酒がなくなるのに気づかないでいると、テーブルを指で叩き、目が合うとグラスを突き出し、顎で指示してくるのです。さらに、私がネイルやマツエクをしていると義父は「結婚したのに、何を色気づく必要があるんだ!?」と耳を疑う発言。ムッとした私が「自分の気持ちが上がるから、好きでしているだけです」とそっけなく答えると「は? 似合ってないのに、変」と、嫌みな口調でケチをつけられることもありました。
夫はそんな父親を見ても諦めたように「悪気はないから聞き流してくれ」と私に言うので、頼りになりません。私も結婚当初こそ義父にガッカリされないように頑張って振舞っていましたが、調子に乗る義父を見て、次第に軽くあしらい、相手するのもそこそこにしたのです。
しかし月日が経ち、私は娘を出産。そして娘を連れて帰省した際、なんと義父はまだ赤ちゃんの娘を見て、「色っぽくなって、早くおじいちゃんのお酌相手になってくれよ~」とひと言。その発言をきっかけに私の抑えていた感情があふれ出し、思わず「げ! 気持ち悪い!」と本音が口から漏れてしまいした。その発言に義父が「え?」とびっくりした表情でこちらを見ます。「やばい……どうしよう!」と考えていると、いつも私には聞き流してくれと言って一切助け船を出さなかった夫が、大事な娘に向かって言われたのはさすがに不快だったのか、突然義父に詰め寄り「おやじ、そういうの気持ち悪いから! 今後一切言ってくれるな!」と怒ったのです。義父は、普段は物静かな夫の剣幕に気おされ、「つ……つい、かわいかったから……」と愛想笑いを浮かべ取り繕った返答をし、別室へ逃げて行きました。私たちの帰宅後、義母からも散々注意を受けこってり絞られたそうで、義父から「すまなかった」とメールが届き、それ以降は発言に気をつけてくれるようになったのでした。
世代感のギャップかもしれませんが、やはり女性をお酌の相手として当然と考えているような振る舞いは不快なものです。普段は静かな夫がガツンと言ってくれたおかげで、義父も今後は、行き過ぎた不快な言動には気をつけてくれると思います。そして、私たちもモラルに気をつけた言動をしなければいけないなと感じた出来事でした。
著者:川中あいこ/40代・ライター。マイペースな3歳の息子と、おてんばな1歳の娘を育てるママ。夫は帰宅時間が遅く平日ほぼワンオペ。転勤族で、日本中のおいしい物が食べたいと思っている。老後はどこに住むか想像するのが好き。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)
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