ベビーカーをぶつけてしまった?
私はベビーカーでエレベーターに向かうため、「すみません」と言いながら混雑の中を通り抜けていました。そんな中、前を歩いていた60代くらいの女性が「痛いっ」と声をあげたのです。
とっさにベビーカーが当たってしまったと思った私は、「すみません、大丈夫ですか?」と声をかけました。すると女性は強い口調で「気を付けてちょうだい!」と言いながら近くにあったベンチへ腰掛けたのです。
女性がまさかの要求を…
私も心配でそばに向かうと、女性に「店員さんを呼んで」と頼まれました。私は、デパートの店員さんに声をかけ、女性の前で事の次第を説明しました。
すると女性は「そういうわけだから、あなた、◯◯と◯◯のチョコレート、4個入りと8個入りね、買ってきてちょうだい」と店員さんに自分のクレジットカードを渡したのです。
店員さんは、カードを預かって買い物の代行はできないと説明した上で、「車椅子をお持ちして、お買い物をお手伝いさせていただけませんか」と提案しました。
しかし女性は気分を害したようで「それならもう結構です!」とスタスタと歩いて去って行ったのでした。
店員さんの心遣いに感謝
私は終始強い口調の女性を前に何もできず、気づけばベビーカーで末っ子が泣いていたのを覚えています。
店員さんは、子どもたちに「びっくりさせてごめんね」と声をかけてくれました。私は店員さんの毅然とした対応と子どもたちへの気遣いに感謝を伝え、デパートをあとにしたのでした。
それ以来、贈り物の購入にはなるべく通販を利用し、トラブルを避けるため、混雑した場所では抱っこひもを使うようにしています。私がベビーカーを当ててしまったのでもちろん申し訳ない気持ちはありますが、女性の予想外の要求に非常に驚いた出来事でした。
著者:河原りさ/30代女性。2016年生まれと2018年生まれの女の子2人、2024年生まれの男の子のママ。花屋に勤務。都会のおでかけスポットや植物に関心あり。
イラスト:あさうえさい
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)