場を凍らせたママの言葉
当時3歳の長女と、生後4カ月の次女の世話に追われる日々を送っていました。長女は近所の幼稚園で行われている、入園前の未就園児向けの教室へ週に1回通っています。そこでは、制作活動や読み聞かせをしてもらいながら、入園に向けて少しずつ子どもたちが教室で過ごす練習をしていたのです。1回の教室は30分程度で、その間保護者は別室で待機する決まりでした。そこは同年代の母親が集まるため、子育てについて情報交換をする場になっていたのです。
ある日、その場にいた5人の母親同士で習い事の話になりました。3人きょうだいのお母さんが「うちは人数多いから送迎も月謝も大変。お兄ちゃんの週3回のサッカーに長女のピアノ、下の子の習字教室や体操で毎日忙しいのよ」と子どもが多いゆえの苦労を話します。「英語を習うなら〇教室よりも△教室がおすすめ」など、さまざまな会話が広がりました。私は「長女をピアノ教室に入れようかな〜と思っていて……」と相談することに。
ところが、Aちゃんのママが急に話に割って入り「ピアノは無駄だと思う」と言ったのです。私や他のママたちが驚いてAちゃんママを見ると「私ずっと習ってたけど、ちっともうまくならなかったし、何の時間だったんだろうと思います。無駄ですよ」とムスッとしながら言います。聞けば、本人はまったく興味がなかったのに、親に無理やり続けさせられていたそう。とはいえ、自分が嫌だったとしても、全否定することはないのにと私は絶句。他のママ友が「ピアノは脳にもいいって聞くし、芸術に触れられるから、子どもにとっても楽しんじゃないかな」と言っても、他のメリットを言ってみても聞く耳を持たず「お金と時間の無駄ですよ」と言い続けて、みんなを呆れさせました。
するとそこへ、資料を渡しに園の先生が入ってきたのです。どうやら話が聞こえていたようで、Aちゃんのママに「習い事に関してはいろいろな考え方がありますけど、家庭それぞれですから。人に考えを押しつけるのはよくありませんよ」とはっきり言ってくださいました。それを聞いたAちゃんのママは、顔を真っ赤にしたまま何も言えない様子です。そして資料が配られたあと、ばつが悪そうに退室していきました。
先生が諭してくれたおかげで、モヤモヤしていた私の気持ちはすっきりしました。自分と意見が違うからといって、頭ごなしに全否定する人とは付き合いづらいものです。意見や考え方が違っても、他人や子どもの主張にも耳を傾けられる大人でありたいと改めて感じた出来事でした。
著者:丘エリ/30代・自営業。3歳と6歳、9歳の元気な3姉妹を育てる母。夫婦共働きで家事シェアを進めるも、結局ワンオペになることもしばしば。推しのアイドルを日々の癒しとしている。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)
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