交際1週間で結婚を決めた兄。不安に思っていると「え、あの人…」婚約者の裏の顔がわかって！？

僕は26歳の会社員です。ある日、兄から「結婚することになったから彼女を紹介したい」と連絡が届き、実家へ行くことに。これまで兄から「彼女がいる」とは聞いたことがなかったので、僕も両親も突然のことにビックリでしたが、もちろん、うれしい気持ちでいっぱいでした。

 

兄が連れてきた女性は、とてもきれいな方でした。兄がこんな美人な方と結婚するなんて……と驚いてしまったほど。さらに兄から衝撃的な言葉が。なんと、まだ「交際して1週間」なのだそう。1週間で結婚を決めたと言うのです。そして、すでに結婚式の準備も始めたと言います。交際期間の長さは関係ないとは思うものの、「交際1週間で結婚」ということに引っかかりを感じてしまった僕。

 

また、兄の彼女の身に着けている物がハイブランドな物ばかりだったこと、表情もどこか演技がかって見えたことも気になってしまいました。

 

もちろん、結婚する相手の家への挨拶ですから、緊張もありますし、それなりに演技がかって見えてしまうこともあると思います。けれど、なんだか僕の中には違和感や不安が残って……。

 

僕はこの不安を誰かに相談したくなり、幼なじみに話をすることにしました。

 

家の近くのカフェで幼なじみであるA子に、このことについて話し、「もしかして兄のお金目的とか……」と話すと、「考えすぎ」と笑われました。「たしかに世の中には打算的に結婚する人もいると思うけど、みんながそういうわけじゃないし……」と言うA子。彼女の言うこともわかり、「やっぱり僕の考えすぎか」と思っていたのですが……。

 

数カ月後の結婚式当日。兄と交流があったことからA子も結婚式に招待されていました。そして挙式で兄の婚約者の姿を見ると、A子は「えっ……」と驚いた様子に。

 

挙式後、どうしたのか聞くと、彼女は少し考えてから口を開きました。「あの人……何度か職場の近くで見かけるの。毎回、電話で激しく怒っていて……」と。

 

話を聞いてみると、兄の婚約者は、A子の職場の近くでよく電話をしているのだとか。毎回、周囲を気にせず、すさまじい剣幕で怒鳴っており、少し気になっていた存在だったとA子。しかも、怒っている内容が「お金はまだ返せないって言ってるでしょ！」というような、お金の内容の話だったと言うのです。

 

「兄のお金目当てでの結婚なのでは」という僕の違和感は、当たってしまったのかも……と、さらに不安になってしまいました。

 

結婚式当日は、幸せそうな兄には言えず……。次の日に、兄にこのことを報告しました。兄は「信じられない」と言った様子でしたが、「A子ちゃんがウソを言うとは思わないし……」とも言ってくれ、「入籍はこれからだし、彼女の親族に会った際にいろいろと聞いてみるよ」と身辺調査をしてみるとのことでした。

後日、兄から、「A子ちゃんと一緒にきてほしい」と兄の家に呼び出されました。兄の家に行くと、婚約者である女性の姿も。彼女は「あら？ どうしたの？」と兄が僕らを呼び出したことを知らない様子でした。

 

そして、兄から語られたのは……婚約者の女性の衝撃の事実でした。

 

なんと、彼女には500万以上の借金があることがわかったのです。借金がありながら、さらに借金を重ね、ハイブランド品を買っていたことも。彼女は親族に「お金持ちと結婚するから、借金があっても返済してくれる」などと言っていたよう。兄はそのことを知り、愕然としたと言います。

 

最初こそ「そんなのウソに決まってる」と言っていた婚約者ですが、出てくる証言に言い逃れできないと思ったのでしょう。彼女は「あーあ、バレちゃった。そうよ。でもお金目当ての何が悪いの？」と開き直って笑い始めて……。「500万くらいあなたなら余裕でしょ？」と言う婚約者ですが、「全然余裕じゃないけど……」と兄。

 

すると、「若いころに株で大儲けしたって、言ってたじゃない」と婚約者は動揺し始めました。兄が、「自分の生活に必要な分以外は、すべて慈善活動に充てているんだ」と言うと、「話が違うじゃない！！」と婚約者は頭を抱えてしまいました。

 

そんな彼女に兄は毅然とした態度で「信用を失った人とは一緒にいられない」と告げ、結婚式後でしたが入籍はまだだったため、婚約解消となったのでした。

 

結婚式でのご祝儀はすべて返却し、親族などに謝罪周りをした兄。相当疲れてしまったようで、兄は「しばらくは恋愛はいいかな……」と言っていました。……が、数カ月経ったころ、慈善活動を通じて出会った女性と恋に落ち、現在は交際中とのことです。

 

兄から婚約者を紹介された際の僕が抱いた「違和感」が当たったかたちになってしまいましたが、直観というのはあながちむげにできないものなのかもしれません。この経験を通して、人を見る目や、違和感を信じる直観の大切さを、改めて痛感したのでした。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。