箱の中身は…
産後、退院した私を待っていたのは、いくつかの段ボールと紙袋。
「ご近所さんに譲ってもらったら使って!」と、義両親が持って来てくれました。
段ボールや紙袋のなかには、年季の入ったベビー服や壊れかけのおもちゃなどが詰め込まれていました。
喜んだのも束の間、手に取って見ると、いったい何十年前のものだろうかと思うくらい古いものでした。服はシミだらけ、においも染みついていて、気になりました。おもちゃも壊れたものが多く、使えそうにありません。
さすがに使うことはできないと思った私は、正直に義両親に伝えました。近所に住んでいるので、「使っている」というごまかしは通用しないと思ったからです。また、「まだまだきっともらえるわ」という義母のセリフに、正直なところ不安を覚えました。
すると、「昔はこうやって譲り合ったものを使ったのよ!」「古くても使いなさい!」と義両親の価値観を押し付けてきました。
もちろん、古くてもきれいな状態の衣類や、壊れていないおもちゃなら、私も使ったかもしれません。けれどもいただいたものはどれも、捨てるしかないような状態でした。
今は安く売っていることなどを話しても、「とにかく譲り合うものだ」と言って、私の話には耳を貸してくれませんでした。ありがたいという気持ちよりも、疲労感のほうが勝ってしまいました。
譲る気持ちは素敵なことだと思いますが、それが相手の負担になってしまうなら、本来のやさしさとは少し違ってしまう気がします。
後日、夫が義両親に今後はお古はいらないと伝えてくれました。夫からの言葉にはさすがに従ったようで、義両親もそれ以降は何も言ってきませんでした。人に物を渡すときは、相手の気持ちや立場に配慮し、押しつけにならないよう心がけたい――そう強く感じた出来事でした。
著者:川村裕子/40代女性/6歳と10歳の息子たちを育てる母。スーパーマーケットでパートタイムとして働いている
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
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