出発前日の夜。義母にあいさつの電話をかけたところ、思いもよらぬ言葉が返ってきたのです。
「悪いんだけど、今回は中止にしてほしいの。今はちょっと、あなたに会いたくないのよ」
突然のことに戸惑っている間に、電話は一方的に切られてしまいました。何か悪いことでもしてしまったのだろうかと、思い返してみましたが、私には心当たりがなく……。
仲の良い義母から突然の拒絶
その日の夜、私は帰ってきた夫に相談したのですが「嫁と姑が仲悪いなんて、よくある話だろ」と軽くあしらわれてしまいました。さらに、「そういえば俺、連休の前半は仕事になったから!」と言って、そそくさと話を切り上げられてしまったのです。
不安がぬぐえない私は、翌日、娘を連れて義実家へ行くことにしました。突然の訪問に驚く義両親を前に、私は単刀直入に尋ねてみたのです。
「突然すみません。私、何か気に障ることをしてしまったんでしょうか」
すると義母は、困ったような顔をしたあと、義父と顔を見合わせ、何かを決心したかのように口を開きました。
「生活費が足りなくて困っているなら、直接相談してほしかったわ……」と嘆いた義母の言葉に、ぽかんとする私。詳しく聞くと、数カ月前に夫が深刻な顔で義実家を訪れ、私がギャンブルにのめりこみ、生活費や貯金を使い込んでしまって生活が苦しいため、助けてほしいと頼み込んできたと言うのです。
それも、1度ではなく何度も。結局、義両親は総額500万円も用立てたそうなのです。もちろん、そんな話は真っ赤な嘘。私は必死に説明し、なんとか義両親の誤解を解きました。
夫は確実に何かを隠している……そう確信した私は調査会社に依頼し、夫の行動を調べてもらうことに。すると、信じられない事実が発覚したのです!
夫の嘘と悪事。すべてを知って私は…
夫は、私のママ友と不倫していました。最近、ママ友が頻繁に子どもを私に預けてくることが気になっていたのですが、まさかその間に夫とデートを重ねていたとは……。
義両親もこの事実に激怒。私は義両親と協力して、夫をこらしめることにしました。後日、夫を義実家に呼び出し、調査会社から受け取った不倫の証拠を突きつけたのです。
「私がギャンブルにハマっているなんて、よくもそんな嘘を! お義母さんたちから借りたお金は、不倫相手のために使ったんでしょう?」と、責め立てる私に、夫は青ざめ言葉を失います。
義母は夫に、私たち家族や不倫相手の家族を裏切り、傷つけたことがどれだけひどいことなのかを説き、私と離婚するよう冷ややかに言い放ちました。そして、最後に義父が500万円の返金と絶縁を言い渡したのです。
「ちょっとした出来心だったんだ! もうやめる! 許してくれ!」夫はそう言って泣きついてきましたが、もう手遅れ。許せるわけがありません。私たちの意志が固く、諦めがついたのか夫は、トボトボと義実家から出ていきました。
家族を裏切った夫が払う代償
その後、弁護士を通して話し合い、私たちは離婚。夫と不倫相手の両方から慰謝料を受け取れることとなりました。
夫は会社で不倫の噂が広まり、肩身の狭い思いをしているようですが、慰謝料と養育費、そして義両親への借金の支払いのため、仕事を辞めるわけにもいかず、バイトを掛け持ちしてなんとか生活しているんだとか。懲りずに義両親に頼ろうとしてきたため、追い返して、義両親は夫とのお金のやり取り以外のつながりを絶ったと話していました。
不倫相手も、夫との関係が家族にバレて家を追い出され、慰謝料支払いのために働き詰めの毎日を送っていると風の噂で聞きました。一方、私はというと、離婚後も義実家との関係は良好で、今でも娘とたびたび遊びに行っています。血は繋がっていなくても、本当の家族のようにあたたかく接してくれる義両親には、心から感謝しています。
◇ ◇ ◇
大切な家族を裏切り、嘘をつき妻を悪者にしていた夫。悪事のすべてが明るみになり、家族全員から見捨てられる結果となりました。相手を苦しめる裏切りや嘘は、最終的には自分を苦しめることになるのですね。周りの人を大切にして、誠実に生きていきたいものです。義両親と娘さんとの、穏やかで幸せな日々が続くことを願うばかりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
著者:ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班