弟夫婦の提案
ある日突然、母の口から突拍子もないニュースが飛び出て私はビックリ。「あのね、どうやら嫁がこの家で同居したいらしいよ」と言うのです。
「は? どういう風の吹き回し?」と私。弟とその嫁のA子は、結婚当時「同居は断固拒否!」という雰囲気を醸し出していたからです。
父は、「俺たちの面倒を見るためだとさ。まぁ、嫁さんの影響であいつも親孝行する気になったか」とのんびり構えています。
こうして弟夫婦が本当に同居することに。おまけに、この家が古いからとリフォームすることになりました。それも義妹の好みに合わせて、システムキッチンやら最新式のシャワールームやら、勝手に選んでくるのです。
内心、「文句があるなら引っ越してくるな!」と毒づきつつ、両親の老後のことも考えて私も改装に賛成。新しい住まいは快適になり、皆ハッピーになるはずだったのですが……。
義妹の暴挙
同居開始後、弟の嫁A子の横暴な態度がエスカレートしていきました。
「小姑が家にいるって最悪~。写真家だって言うけど、ニートの寄生虫じゃん」と不満をぶちまけてきます。何かをした覚えもないのに、あんまりです。私の怒りが静かに沸騰し始めていたある日……。
両親が町内会の温泉旅行へ、弟も出張で不在となり、家には私とA子の2人きりに。
するとA子は、私の写真集を手にして「この写真、何がおもしろいの? お義姉さんって、もう人生終わってるオバサンだし、出て行ってもらえます?」と暴言を吐いたのです。
「この家は私たちがもらう! 老親はあと何年ももたないだろうし。小姑がいなくなれば万々歳。将来、お義姉さんの面倒は見ませんから!」とまで言われて、静かにブチ切れた私はついに決断しました。
「わかった、なら出て行くから!」とありったけの笑顔で引っ越し準備をスタート。その日のうちに家を後にしてやりました。目障りな小姑、ここにリタイア……では終わりませんから!
密かに計画を実行
翌日、旅行から帰って来た両親から慌てて電話がかかってきました。聞けば、どうやらA子は「お義姉さんは1人暮らしをしたいから家を出て行った」と真っ赤なウソをついたようなのです。
私は真実を両親に説明し、とある計画について伝えました。
そして私が家を出てから数カ月がたったころ。弟と義妹から鬼電が来るようになりました。
もちろん最初はスルーし、しばらくじらした後に出てあげると、弟と義妹が半泣き状態で「帰って来て!」と連呼したのです。私は答えました。「そうね、やっぱり面と向かって話さなきゃね」
こうして翌週、久しぶりに実家に戻ったのですが……。
今さら謝られても
「今日話に来てくれたってことは、またこの家に戻って来てくれるんだろ、姉さん?」
手モミしながら出てきた弟に、私はドン引き。「戻るわけないじゃない。小姑は出て行けってあんたの嫁から言われたのよ?」
「それは……A子も反省しているからさ……」「お義姉さん、ごめんなさい! 私が悪かったんです、許してください!」
「さんざん私をさげずんで追い出したくせに、急に謝るなんて、どうした風の吹き回し?」
私は義妹を冷ややかな目で見つめました。
「あなた、反省しているんじゃなくて、借金返済に困って、私にたかるつもりでしょ?」
「そ、そんなことは……。でも、ここのリフォームのローン、こんなに高額だったなんて……」
家もどうぞ!
そう、A子のワガママで膨大な金額にのぼったリフォームローンは、私が父の代わりに払っていました。もちろん、家の名義は父なので知らなかったのでしょう。
「お義父さんじゃなくお義姉さんがローンを払っているなんて、私全然知らなくて……」
「つまり、寄生虫だと思っていた小姑が、実はローンまで負担している大黒柱だったから、呼び戻して払わせようってこと? ついでに言うけど、ローンどころか、あなたたち2人はギャンブルで負けて借金まみれなのよね? だからいきなり同居なんて言いだしたんでしょ。そうは問屋が卸さないわよ」
この期間、私はフォトグラファーのコネクションを駆使していろいろ調べていたのです。「そ、それは……」と真っ青になった弟夫婦はしどろもどろ。両親はため息をついて、今後の計画を2人に宣告しました。
両親はそろって施設に入居。貯金と年金を費用に充てて、息子には家以外残さないと決めたのです。ただし、贈与税は彼らの自己負担。2人は、借金とローン、さらに贈与税の返済に追われ、遊ぶ暇もなく働いています。
私はといえば、ステキな写真がいっぱい撮れる北海道に移住。出版社からもお呼びがかかり、フォトグラファーとして、今後もますます頑張っていこうと思っています。
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いきなり同居を希望してきた弟とその嫁。何かあるとは思っていましたが、実家から姉を追い出すとは……。生活力もないのに豪勢にリフォームまでして、フタを開ければ借金まみれ。何とも情けない夫婦ですね。今後は改心して真面目に働き、残された実家で粛々と生活してほしいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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