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0歳からの自己肯定感の高め方(前編)【保育士おとーちゃんコラム2】

子育てアドバイザーとして、全国のママや保育士に絶大な支持を受ける保育士おとーちゃん・須賀義一氏の、子育てがラクになる秘訣やヒントがつまったコラム連載第2回目。今回は、妊娠中の方や、赤ちゃんの育児中のママ・パパに知ってほしい、自己肯定感の高め方についてです。

ママと赤ちゃんのイメージ

 

今の時代、「自己肯定感」は子どもにとっても、大人にとっても重要なキーワードになっていますよね。子どもが小さいうちも学校に上がってからも、そして大人になってもこの「自己肯定感」は関わってきます。そこで、子育てでの自己肯定感について少し考えておきましょう。

 

「褒める」が逆効果になることがある!?

多くの人は子どもの自己肯定感を高めるための方法として「褒める」ことを真っ先に頭に浮かべるのではないでしょうか。それは間違っているわけではありませんが、必ずしも正解とは僕は考えていません。なぜなら、「褒める」ことが常に肯定として働くとは限らないからです。

 

褒めるというのは、主には結果や過程が良好だったときにだけ与えられる肯定です。子どものなかには、それをするだけで問題なく自己肯定感を高めていける子もいます。しかし、時に褒めたとしても、そのままにとらない子もいます。そういう子は、無意識のうちにこう考えます。

 

「今回は褒めてもらえたけど、でもうまくできないときの自分ではダメなんだな」

 

このように、褒めるという条件付きの肯定は、裏を返すと「できないあなたはダメ」というメッセージになってしまうこともあるのです。

 

さらなる落とし穴

褒めることばかりで関わってしまうと、自分自身で達成感を感じられないような結果のとき、その子は自分で自己肯定するどころか自己否定をしてしまいます。それでは自己肯定感を高めるどころか逆にすらなりますよね。

 

さらに、この褒めるという大人からの関わりには、時に大人の作為的な思惑が隠れていることがあります。「しめしめ、褒めることでこの子をできるようにしてやろう」という大人の気持ちです。子どもはこれにも敏感で、ここにも「できないあなたはダメ」というメッセージを感じとってしまいます。実際に、2歳児くらいになると「えらいっていわないで!」と子どもがほめられたときに怒るといった姿が見られる場合もあります。

 

このように、大人が子どもの姿をコントロールしようとする関わりでは、必ずしも人生の後々まで続くような根付いた自己肯定感はあまり持たせられないのです。

 

じゃあどうすればいい? 子どもの自己肯定感のベースを作るものとは?

親子のイメージ

 

それでは、子どもに自己肯定感をもたせるにはどうすればいいのでしょう。

 

基本的には単純なんです。自己肯定感をもたせるためには子どもにたくさんの肯定をプレゼントすればいいのです。ただし、その肯定は嘘偽りのないもの、そしてそれをする大人自身もムリのないものである必要があります。
 

そして、肯定のプレゼントについては次回の記事で具体的にお話しいたしますが、その前にぜひ知っておいてほしいことがあります。子どもに直接何かをする前に、子どもへの肯定がすでに存在していることをです。

 

それは、雰囲気による肯定です。

 

雰囲気による肯定が「肯定の基礎」

例えば、そこにいる大人が自分に対してでなくとも何か怒っていたり、イライラしていたり、なんらかの深い悩みを抱えていたりすると、どこか居心地の悪さを感じたり、イライラが伝染したり不安になったりしますよね。これは、親子でなくとも、会社の上司と自分に置き換えても同じことが言えるでしょう。

 

逆に、そこにいる大人が屈託なくのびのびとしたおおらかな気持ちでいた場合、その場の雰囲気は居心地のいいものに感じたり、そこで気持ちよく過ごすことができます。このおおらかで屈託のない雰囲気というのが、肯定の基礎なのです。

 

子どもに直接何かをせずとも、子どもが過ごす環境がおおらかで安心でき居心地のよい雰囲気であること。これが基礎的な肯定となってその子の自己肯定感のベースを作ってくれます。それだけでなく、子どもにとって大切な情緒の安定や他者への信頼感などもその雰囲気のなかでプラスの方に形成されていきます。

 

簡単にできるのは歌うこと!?

笑うのが好きな人、夫婦でおしゃべりするのが好きな人。そういった肯定的な雰囲気
の状況を普段からもてる人は、子どもに直接何をせずとも子育てが安定しやすいほうへいくし、子どももそこで自己肯定感を育みやすくなります。

 

簡単にできるのは歌うことです。歌を歌っている状態は、そのまま自分がリラックスしており、心が開示されていることを表し、自然とそれを子どもに伝えます。子どもに聴かせるための歌でもいいですが、そうではなく自分が好きな歌でいいのです。

 

逆に、いくら子育てに一生懸命でも、子どものことが心配で一挙手一投足が気になっていたり、この子は何か困ったことをするのではないかとハラハラしている気持ちがその場の雰囲気ににじみでていたら、子どもはかえって安定を欠いたり、自己肯定しにくくなってしまいます。

 

ですから、子どもにより良い成長を与えたい、自己肯定感をもたせたいと考えるのならば、何か子どもに良いことをしなければ、頑張らなければと自分にプレッシャーをかける方向にいくのではなく、むしろ、くつろいでおおらかになるところから始めてみてください

 

そこにこそ、子どもが自己肯定感を高めていくための秘密が隠れています。

 

心にとめておいてほしい大切なこと

実は、今回のこのお話、「子どもの自己肯定感を高めるには?」という本来ハウツーのテーマに対して、僕はあえてハウツーで答えることを避けています。なぜならそう伝えてしまうと、子育てする人に「子どもの姿は私がこうやってこねくりまわせば、思う通りに育つのだ」という子育てそのものについて間違った印象を与えてしまうからです。

 

その印象をもったまま子育てをすれば過干渉の弊害が大きくなり、かえって子育ては難しいものとなってしまいます。これは自己肯定感の話に限りません。現在の子育ては、ただでさえ過干渉から生まれる子どもの難しい姿に直面しています。それは言葉としておかしいですが、「過剰な過干渉」と言える事態です。

 

子どもが育つというのは、本当は子ども自身が主体的に育つ必要があります。大人が干渉して子どもの姿を作り出すことは、一見近道に見えます。例えば、子どもにあいさつをさせたいと思って、「ほら、おはようございますは?」などと子どもをせっついたりしてその場で言わせることはできます。でも、それは言わされているだけで、必ずしも子どもが本当の成長として獲得しているわけではありません。むしろ、逆に「大人がせっつかなければあいさつしない子」にしてしまっている場合も多いです。

 

 

次回はもう少し具体的なハウツー寄りの、赤ちゃんのいるママやパパ、妊娠中の方に知っていただきたい「0歳からできる、自己肯定感を高める関わり」についてお伝えします。

 

しかし、この「大人が干渉すれば子どもが思い通りに育つのではない」という今回の視点は忘れずにもっておいてくださいね。

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    保育士須賀義一
    子育てアドバイザー・保育士

    子育てアドバイザー/保育士。大学時代はドイツ哲学を専攻。人間に携わる仕事を志し保育士になる。子育てのポイントや育児相談。保育士としての知識、主夫として子育てした経験を綴ったブログ『保育士おとーちゃんの子育て日記』が人気を博す。著書に『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』(PHP研究所)がある。現在は子育て講演や座談会、保育研修・監修、コラム執筆などをしている。個別の育児相談や講演依頼はブログ内リンク先のホームページより受付。

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