先日、夫が上司のご自宅で昼食をごちそうになりました。その料理を大絶賛する一方で、私の料理は「ゴミだ」「メシマズだ」と酷評し始めたのです。挙句の果てに「結婚を早まった」「相手を間違えた」とまで言い出して……。
「親切心でアドバイスしている」なんて言われても、余計なお世話です! 仕事をしながら、毎日料理を作るのがどれだけ大変か、夫には想像もつかないのでしょう。自分では何ひとつやらないくせに、文句だけは一人前。そんな夫にイライラしていると……。
上司を招いた食事会で妻を試そうとした夫
夫はまるで嫌がらせをするかのように、上司ご夫妻を食事に招待してきました。しかも、自宅で私がふたりをもてなすのだそう。どうやら、私を“メシマズ認定”させて恥をかかせたいようです。
でも、残念でした。結果は私の勝ち。ご夫妻は「おいしい」と喜んで食べてくださり、笑顔で帰っていきました。悔しかったのか、夫は最後まで難癖をつけてきましたが。
「時間かけてあの貧乏料理か?」
「俺なら30分でフルコース作るけどね♪」
そうくるのね!
「じゃあ今夜の夕飯お願い」
「わかった、任せとけ!」
やれるものならやってみて!
ろくに包丁すら握ったことがないのに、そんな軽口を叩いて大丈夫かしら。「料理なんて、これまで食べてきた味を再現すればいいだけ」なんですって。「俺が料理とはどんなものか教えてやるよ!」って……。それでは腕前とやらを拝見させてもらいましょうか♪
夫に“夕飯作り”をお願いした結果…
結果は……さんざんたるものでした。台所はぐちゃぐちゃ、食材はボロボロ。料理は丸焦げて、鍋もひとつダメになりました。結局、満足に食べられるものは一品もない状態。「初めて料理を作ったんだよ」と言い訳していましたが——そんな人が、「俺のほうが料理がうまい」と偉そうに豪語していたんですよね。あきれてものも言えません。
ちなみに、夫が先日ごちそうになった料理は、なんと上司ご本人が作ったものだったそうです。奥さまは料理があまり得意ではないのだとか。これで、「料理に男も女も関係ない」ということがはっきりしましたよね。それなのに夫は、上司のことを「さすがだ」と褒めるだけ。自分の非を認めて、私に謝ることすらしませんでした。でも、もういいんです。私、離婚します。もう我慢の限界です。
夫は、離婚を突きつけられて初めて私に謝罪してきました。そして、「少しずつでも悪いところを直すから、離婚しないでほしい」と懇願してきたのです。……でも、もう遅いんです。今さらどんな言葉を並べられても、“何もできない人”とこれ以上一緒に暮らすつもりはありません。以前、夫は「結婚をミスった」「早まった」と言っていましたが……奇遇です。私も、相手選びを間違えました!
離婚をきっかけに職場が変わった!?
あれから間もなく、私たちは離婚しました。いくら泣いてすがられても、いったん冷めきった私の心が元に戻ることはありませんでした。夫婦共通の知人によると、夫は今、「家事を一切せず妻に捨てられた男」として社内でうわさになっているそうです。愛妻家として知られるあの上司からの信頼も薄れ、肩身の狭い思いをしているとか。
後日、上司の奥さまから連絡をいただいたのですが、意外なことに、私たちの離婚が社内に思わぬ影響を与えていたそうです。夫の離婚を知った男性社員たちが、こぞって定時で帰るようになり、家事を手伝うようになったのだとか。「奥さんに見放されないようにしないと」と、家庭を見直すきっかけになったそうです。私たちの離婚が役に立ってるのかも?と思うと、少しうれしくなりました。
私たちの場合、不貞や暴力が原因の離婚ではなかったため、「もう一度考え直しては?」という声もありました。でも今は、離婚して本当によかったと心から思っています。何より、ストレスがぐんと減ったことが大きく……。しばらくは、自分自身を大切にしながら、穏やかな日々を楽しみたいと思っています。そして、もしまた恋愛をすることがあれば——今度は、同じ立場で支え合い、思いやれる相手と一緒になりたいです。
◇ ◇ ◇
どちらか一方が我慢し続ける関係は、いずれ破綻しますよね。夫にとっては、離婚を突きつけられて初めて事の重大さに気づいたのかもしれませんが、夫婦として暮らしていくうえで思いやりは欠かせません。自分の言動を猛省してほしいですね。
【取材時期:2025年4月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。