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子育てサークルのママ友が仕事の営業「ノルマ厳しいから契約して!」他のママに話すと旦那さんに伝わり

夫の勤務地に嫁いだ私は、長女が生まれて幼稚園に入るまでは、実家も遠くて知り合いのいない環境での慣れない育児に、孤独を感じていました。今思い返せば、毎日子どものお世話と、家とスーパーとの往復だけで、大人と話す機会に飢えていたのだと思います。

そんなときに参加した子育てサークルで、何人かのママ友ができました。その中でも特に仲良くしてくれたのは、ママ友Aさん。私は心が軽くなって、楽しい毎日を送るようになったのですが……。

 

ママ友が仲良くしてくれた理由は…

長女が1歳のころ、たまたま参加した地域の子育てサークルで、Aさんという女性と出会いました。姉御肌で面倒見がいいAさんは、初対面の私にとてもやさしくしてくれました。「実家も車で2時間以上なんて……。ワンオペ育児つらいよね」と寄り添ってくれ、Aさんの3歳の娘ちゃんがおとなしく遊んでいる間は長女を抱っこしてくれるなど、その心づかいに癒されていました。

 

しかし、仲良くなって何度か一緒に公園で子どもを遊ばせる中で、だんだんと「どこに住んでるの?」「実家は何か商売されてる?」「旦那さんの会社はどこ? 何してる人?」とプライベートなことも聞いてくるように。私は、あまりにも踏み込んだ話題に少し違和感を覚えながらも、深堀りされない程度にさらっと答えていました。

 

 

それからしばらくして、ある日Aさんが突然わが家へ来たのです。驚きながらも家に上げると、「突然来てごめんなさいね。これ、あなたの家に合うと思って」と40万円以上する高額な浄水器の見積もりを出してきたのです。「え? どういうこと!?」と聞くと、「私、お仕事で浄水器販売会社の営業をしてるの」とニコニコ笑顔で言いました。

 

私が話を聞き流していると、Aさんは「ねえ、ぶっちゃけ世帯年収いくら?」と聞いてきたのです。私は面食らって「まあ人並みかな」と答えるのが精いっぱいでした。しかしAさんはおかまいなしに「今月ノルマが厳しいの。私を助けると思って契約して!」「ご実家からの援助はないの? いつもきれいな服着て、こんなおしゃれな家に住んでるし、 旦那さんの給料ぶっちゃけ余裕あるでしょ!」と好き勝手に言います。私が明らかにドン引きしている表情を浮かべても、そんなことはお構いなし。2時間ほど営業トークをして、「よかったら検討してみて」とパンフレットの束を置いて帰っていきました。

 

 

私は、「仲良しのママ友ができて喜んでたのは私だけで、本当は営業がしたかったのね」と悲しい気持ちに。その後、浄水器の購入を断る電話をしました。友人だと思っていたのに営業をされて悲しかったことや、迷惑だから今後は遠慮してほしいことを伝えると、電話口のAさんはめげる様子もなく「でもね、お子さんも小さいし、いいものを早いうちからお家に置いておいて、損はないのよ。もっと詳しくお話できるから、時間取れないかしら?」と食い下がってきたのです。私は押しの強さに疲弊し「もうお話することはないです」と電話を切りました。

 

後日、子育てサークルで他のママさんにこの話をしたところ、何人か同じ営業を受けていたことが判明! 子育てサークルの事務所でスタッフの方に事情を話すと、サークルのリーダーがすぐにAさん本人へ電話で確認を取ってくれました。しかしAさんは「ちょっと紹介しただけ」「そもそも営業したらダメって規則もないですよね?」と逆ギレする始末。電話の向こうでキャンキャンと怒るAさんに、話が伝わらないと思ったリーダーは、その後、事前に登録されていた連絡票から、Aさんの旦那さんにも報告し、状況が変わらなければサークルへの参加を断らなくてはならないという旨を伝えていました。

 

 

すると数日後、子育てサークルのドアの前に見慣れない男性が。中に入っていいのか迷っている様子だったので思わず声をかけると、男性は深いため息をつきながら「すみません、Aの夫です。妻がご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」と言いました。どうやら、菓子折りを持って謝罪に来たそうです。

 

リーダーからの電話で、初めてAさんの営業方法を知ったという旦那さん。旦那さんがAさんを問い詰めると、子育てサークルのママ友だけでなく、幼稚園や近所のママ友にも同じように営業をかけていたことが判明し、各所への謝罪で憔悴しているようでした。そして、旦那さんの謝罪以降、Aさんはサークルには現れなくなり、平穏な日常が戻りました。他のママ友から聞いた話によると、営業する先が減ったAさんは、営業成績に伸び悩み、それが理由かはわかりませんが、やがて会社を退職したそうです。

 

知らない土地で初めて仲良くなれたママ友は、高額な浄水器の営業さん……。孤独だった私に寄り添ってくれていたのも、すべては営業のためだったのかもしれないと思うと悲しい気持ちになりました。もちろんそれだけではなく、純粋に寄り添おうとしてくれていたのかもしれませんが……。

 

新しく知り合う人との人間関係は、慎重に構築していていくべきだなと痛感した出来事です。
 

 

著者:丘エリ/30代・自営業。3歳・6歳・9歳の元気な3姉妹を育てる母。夫婦共働きで家事シェアを進めるも結局ワンオペになることがしばしば。推しのアイドルを日々の癒しとしている。

 

作画:yoichigo

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)

 

 

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