デートの帰り道で
デートの帰りは、決まって彼が駅の改札まで見送りに来てくれるのが習慣になっていました。そのため、この日も彼と今日あった出来事を話し、笑い合いながら駅まで向かっていました。
駅に到着し、私が切符を買おうとしたその瞬間、彼が「早く買え! 」と突然、声を荒らげました。普段とは異なるその口調に戸惑ってしまった私。もしかして、何か気に障ることでもしてしまったのか? それとも、単に急いでいるのか? 不安な気持ちながらも、私は急いで切符を購入しました。
彼の隣に現れた女性は
彼と手を繋ぎ改札口まで数歩歩いた際。なんとなく彼に引っ張られているような感覚が。先ほどからの彼の異変に「どうしたのだろう」という気持ちになっていると、「隣を見るな! 前だけ見て急いで歩け!」と彼。「え?」と思い、彼のほうを見ると……。
そこには、彼の腕を掴む見知らぬ女性が立っていました。そしてその女性は「偶然だね。一緒に話そうよ」と、彼に微笑み、そのあと私のことをジッと見つめて……。
女性の正体とは!?
彼の腕を静かに掴む女性の正体。それは……彼の元カノでした。
彼から元カノの写真を見せてもらったことがあったので、私自身、顔は知っていました。彼の口から元カノの話が出なくなったなと思っていた矢先、なんと元カノが私と彼の前に現れたのです。
元カノの手を振り払おうとする彼に対して元カノは、「なんで? こんな子より絶対私のほうがいいじゃん!」と声を荒げて言いました。
すると、彼は急いで私を改札口のほうへ。私はそのまま帰るよう指示されました。状況がのみこめないままでしたが、私はとりあえず電車へと乗り込み家へと帰ることに……。
そして後日、彼からこのあと起こったこととして話を聞きました。
彼曰く、元カノから「もう一度付き合いたい」と迫られたようです。もちろん強くお断りをしたとのこと。彼がふいに「切符を早く買え!」「前だけ見て歩け!」と声を荒げたのは、元カノの姿が遠くに見え、私に危険が及ばないよう早く改札の中に入れたかったからだったとのことでした。
あまりにも突然のことに驚いてしまいましたが、たしかにあのとき彼が守ってくれなければ、元カノと対峙して恋愛ドラマで見るような修羅場に発展していたかもしれません。別れてもなお「好きな人を手に入れたい」と思う力は計り知れないものだと、当時の彼氏と元カノとの出来事で恐怖を覚えたエピソードです。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートなどで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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