小学校に入ると、雪ちゃんは女子グループ、海斗くんは男子グループに分かれ、だんだんと2人の間にも距離ができますが、母親たちは相変わらず家族ぐるみの付き合いを望んでいます。
とある週末、冬子さんと夏美さん親子の4人で映画を見に行くと、その様子を同級生が目撃し、海斗くんは学校でからかわれてしまいます。
恥ずかしさを覚えた海斗くんは、雪ちゃんに「もう名前で呼ぶな」と突き放し、雪ちゃんは冬子さんの前でも海斗くんを名字で呼ぶように……。
そんな雪ちゃんの姿に、冬子さんは動揺しつつも、「異性だから仕方ない」と思うのでした。
昔からの友だちを突き放してしまった海斗くんは…
夏美さんは、「来週雪ちゃん親子とプラネタリウムに行く約束をした」と海斗くんに伝えます。
海斗くんが「俺は行かない」と言うと、夏美さんは態度を豹変させ、泣き叫びます。
「お休みの日はずっと海斗とふたりで過ごさないとダメなの?」
「一人でずっと頑張ってるのに! お休みの日に大好きなお友だちと過ごせないのね!?」
大泣きする母親に海斗くんはうろたえ、「行きたくないなんて嘘だよ」と発言を撤回。
それからも家族ぐるみで遊ぶ機会は減らず、雪ちゃんと海斗くんは親に本音を言えないまま、仕方なく一緒に遊ぶのでした。
▼まさか母親が冬子さんとの関係に強くこだわり、感情的に泣き叫ぶとは海斗くんも思いもよらなかったでしょう。せっかく自分の本音を伝えたのに、母親から否定された海斗くんの心を思うと、やりきれない気持ちになりますね。
子どもは大人が思っている以上に周囲の感情を察知することがあります。母親に嫌われたくない、愛されたいという気持ちが、結果として子ども自身の心を縛ってしまうことも。夏美さんには海斗くんの「ありのままの思い」を受けとめ、自分の交友関係を押し付けていないか、今一度立ち止まって自分自身に問いかけてほしいものです。
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