
張り詰めた日々と、夫への依存
妊娠8カ月、子宮口が開いてしまい、そのまま入院することに。体は動かず、心もどんどん追い詰められていきました。点滴の副作用や痛みに耐えながら、頭の中は家族のことばかり。おなかの双子はもちろん、上の子たちのこと、そして夫のことが常に気がかりでした。
特に夫には、見舞いのたびに「家に着いたら連絡してね」と、毎回くどいほど伝えていた私。万が一、帰り道で事故に遭ったら……そんな不安に襲われ、眠れない夜もありました。
夫からの連絡がなくパニック
帝王切開での出産を終えたある夜。面会を終えて帰宅したはずの夫から、いつまで待っても「着いたよ」のメッセージが届かず、私は心配でたまらなくなりました。
「何かあったのかも……」と最悪の想像をしてしまい、いてもたってもいられず、義母に泣きながら電話。「いつもならとっくに着いているはずなのに、連絡がないんです」と必死に訴えました。私の入院中、夫は自宅と実家を行き来していたため、義母に状況を確認してもらいたかったのです。
義母は、「きっと自宅で寝ちゃっただけだと思うよ。大丈夫、安心して」と穏やかに答えてくれましたが、今思えば、自分でも怖いくらい完全に冷静さを失っていました。
気づかされた、家族の支え
明け方、ようやく夫から「ごめん、仮眠してた」と連絡がありました。疲れている中、仕事の合間を縫って無理して来てくれていたことを知り、私はホッとしたと同時に申し訳なさでいっぱいに。
「無事でよかった。連絡を急かしてごめん」と伝えると、夫は、「不安な気持ちもわかるよ。連絡しなくてごめんね」と言ってくれました。
あの夜の出来事を通して、自分がどれほど心に余裕をなくしていたのかに気づかされた私。だからこそ、今後また同じように不安でいっぱいになってしまったときは、「今の私は、少し心が疲れているんだ」と自分の状態に気づき、少しでも冷静になれるように心がけたいと思います。そして何より、私を支えてくれる家族の存在のありがたさを、改めて深く実感した出来事でした。
著者:岩下カナコ/40代女性。2015年生まれの娘、2017年生まれの息子、2019年生まれの双子の息子たち4児の母。育児に癒やされたり疲れたり、時には自己嫌悪したり。そんな日々を送っている。
作画:ぐら子
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)