とにかく手が足りない!
ワンオペ育児で特につらかったのは、双子が同時に泣いたとき。
「どうして一緒に泣くの?」という感情に加えて、「うまくできない母でごめんね」「ふたりは別々に生まれたほうが、愛情たっぷり育って幸せだったのかな……」など、とにかくマイナスな思考ばかりが頭をよぎりました。
泣いているふたりをすぐに抱っこしてあげられない、寝かしつけもうまくいかない。双子たちに我慢ばかりさせている気がして、「私は育児が下手なのかもしれない」と、どんどん自分を追い詰めるように。
今思えば、当時は産後でメンタルが不安定だったのだと思います。
実家の母に助けを求めて電話
このままでは育児ノイローゼになってしまう――。
そう思った私は、泣きながら実家の母に電話をしました。
「育児が思うようにいかなくてつらい」と気持ちを吐き出すと、母は「実家に帰ってくればいいよ」と提案してくれたのです。
その夜、私は夫に「最近、育児が楽しく感じられない。子どもの泣き声がつらいときがある」と正直に伝えました。
すると夫は、「育児の大変さは感じていたけれど、仕事があるから全部手伝うことは難しいし……。お義母さんが言ってくれているなら、甘えていいんじゃない?」と、帰省を後押ししてくれました。
両親の負担も考え、帰省は2カ月限定に。月に2回、金曜の夜に実家へ行き、日曜の昼に自宅へ戻るサイクルにしました。
期間限定の実家帰省でしたが、お風呂上がりに子どもを受け取ってくれる人がいる、ふたりが泣いたら同時に抱っこしてくれる人がいる。そんな環境で過ごす週末は、双子に向き合う気持ちにも余裕が生まれ、ひとりで子育てしている孤独感から解放されました。
当時は「母の私がしっかりしなければ」という思いが、自分を過渡に追い詰めていたのかもしれません。人の手を借りることは甘えではない、つらいときや助けてほしいときは、声に出していい――。帰省を通して、そう気づくことができました。自宅に戻ってからもワンオペ育児は続きましたが、以前とは違い前向きな気持ちで子どもたちと向き合えるようになりました。
著者:野中まゆ/30代女性・主婦。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
※AI生成画像を使用しています