「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【管理栄養士に相談】。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は1歳になるお子さんに牛乳を飲ませようと考えているママからの質問です。
Q. 1歳の子どもに牛乳を飲ませようと思うのですが……
1歳になった子どもに牛乳を飲ませようと思うのですが、どのようにあげたらよいのでしょうか?
ネットを見ると、牛乳も小さじ1杯からという文もあれば温めたものを飲ませる、と書いてあったりするのでわからなくなりました。1歳になる前にフレンチトーストで牛乳を少し使ったことがありますが、特に下痢にはならなかったです。ヨーグルトを食べていますがなんともないです。
私自身が牛乳を飲むとおなかを下しやすいです。温めても牛乳だけでは飲めず、ココアやシチューなどで牛乳を摂るようにしています。私自身、アレルギーか調べたことはないですが、これもアレルギーの一種なのでしょうか? 子どもに遺伝するのでしょうか?
久野多恵管理栄養士からの回答
お母様が牛乳を飲むとおなかが下りやすいとのことで心配になられる気持ちもわかります。下痢の原因は乳糖不耐症の症状だと思われます。
食べた物を消化酵素を使って消化することで、体内に吸収し栄養とします。乳糖もそのままでは吸収できないため、ラクターゼという消化酵素で分解して吸収します。しかし、乳糖不耐症の人は、消化酵素が少ないため十分に乳糖を消化できないので、便が緩くなったり、下痢をする原因となります。アレルギー症状とは少し違います。母乳には乳糖が含まれているため、赤ちゃんのときは十分にラクターゼを持っています。大人になるにつれて減少していくのですが、乳糖不耐症の人はその減少が極端な場合が多いです。遺伝との因果関係はあまりないと考えていただいて大丈夫なので、少しずつ牛乳を試されて良いと思いますよ。
今までも離乳食で使われていたとのことですので1さじからでなくてもよいですが、温めた牛乳を少量から試してあげてください。温めた牛乳が大丈夫であったら、常温のものをあげていただいて大丈夫です。乳糖不耐症でなくても、腸が冷えると消化機能を低下させて下痢などの症状が出る場合があるので、できれば温めたものか常温がよいと思います。
※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナーより
牛乳はいつから飲めるの?
赤ちゃんに、牛乳を飲み物としてあげるのは1歳ごろから。牛乳のたんぱく質は消化されにくく、内臓が未熟な赤ちゃんにとって、負担になってしまいます。
また、牛乳の摂りすぎは鉄の吸収を妨げることがあります。これが長期間続くと、鉄欠乏性貧血になり、赤ちゃんの体や精神温発達に遅れが出ることもあります。適量を心がけることが大切です。
では、1歳になるまで牛乳をまったく使えないの? というと、そうではありません。生後7カ月ごろから料理には使えます。シチューやミルク煮などに使ってみてくださいね。必ず加熱をしましょう。
牛乳を飲み物としてあたえるときに心がけること
牛乳を飲む前にほかの乳製品で慣らしておく
牛乳よりもたんぱく質の分子が小さいヨーグルトやチーズなどの発酵食品から慣れるという方法があります。その際のヨーグルトはプレーン。チーズは塩分や脂肪分が少ないものを選んでくださいね。
まずは少量から
食事としても飲み物としても共通しますが、最初のうちは極少量から始めることをおすすめします。乳は食物アレルギー7品目食品のため、ほかの食品以上に慎重に。飲んだ(食べた)あとは、身体観察しましょうね。
温めた牛乳からチャレンジ
最初から冷蔵庫に入っている牛乳をそのまま飲むのではなく、一度温めてから冷めたものを与えましょう。
量を守って
1日に飲む量を守りましょう。1歳の赤ちゃんでだいたい300mlを目安にしてください。もし、同じ日にチーズやヨーグルトを食べた場合は、牛乳は減らしてくださいね。
新鮮なものを
赤ちゃんに与えるものです。新鮮な牛乳を用意しましょう。
飲んだあとの体調を観察
飲んだあとは、赤ちゃんの体調を観察してくださいね。肌が赤くなったり、下痢をしたりする場合は、牛乳が原因のこともありますので、医師と相談すると安心です。
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※参考: ニュース(食・レシピ)「赤ちゃんはいつから牛乳を飲めるようになるの?【離乳食のギモン】」【著者:離乳食インストラクター協会代表理事 中田馨】