生後半年ごろから始まる離乳食。食事に興味がある子とない子、それぞれ個性がありますよね。食べるのが好きだと思っていた子も、月齢とともに食べムラが出てきて、せっかく作った食事も残されてばかり……。そんなどの家庭にもある子どもの「食べない」に私自身がどう付き合っていたかを紹介します。
わが子が口から「ベー」する理由「遊び食べ」
口に入れたものを「べー」と出すのは、子どもなら誰しも通る道。昨日まではよく食べていた食材なのに、今日は全然食べてくれない。どうして? と泣きたくなったり怒りたくなったりしますよね。けれど、あの「ベー」にはちゃんと理由があることがわかったんです。
まず1つは遊びながら食べる「遊び食べ」だということ。親としては、食べ物で遊ぶのをやめさせたいところではありますが、すぐにその場でやめることは期待せず、根気強く付き合う必要がありました。わが家の場合、怒らず冷静に「食べ物は大事だよ」と根気強く言い続けた結果、ある日突然理解したのか遊ばなくなったという経験をしました。
わが子が口から「ベー」する理由「確認作業」
もう1つわかったのは「確認作業」だということ。わが子は、食べ物が自分の食べたことのあるものか、好みのものか嫌いなものか、ひとまず口に入れ、確かめているようでした。口に入れてみて好みでないものは「ベー」する。これを繰り返すことで一つひとつの食べ物に慣れていくようにも感じられました。
赤ちゃんのころはみんな、何でもかんでも口に運んでいますよね。あの延長だと思うと私も気持ちがラクになりました。子どもにとって必要な行為なのだと思えば、せっかく作ったのに無駄にして! と腹を立てることも少なくなりました。
わが子が食べない理由「お母さん食べさせて!」
「もういらない~」と言われ子どものお皿を見ると、おや? 何も食べていない! そんなことが続いたある日、「おひざで一緒に食べる?」と聞いてみると、「うん!」と元気よく食卓に戻ってきて、出したものほとんどを平らげてくれたということがありました。
わが子としては甘えたい気持ちが「食べさせてくれなきゃ食べない!」に繋がっていたようです。3歳になった今でも、何かにつけて「食べさせて~」という娘ですが、口に運ぶとよく食べるし、母親の私がいないときには自分で食べると知っているので、わが家では何も言わずに食べさせることにしています。
赤ちゃんや子どもの「食べない」には理由があると思います。食事のたびに「ちゃんと食べなさい!」と声を荒げるよりも、成長の一段階として受け入れ、今の子どもにとって必要な行為なのだと思って少し引いて見ると、ぐちゃぐちゃになった食卓も少し微笑ましく感じられました。
著者:里川まちこ
一男一女の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味はフィルム写真・旅行・手芸。とくに毛糸小物を作ることが毎年冬の恒例