義母からのプレゼントにフリーズ…
結婚して2年経ったころの話です。義母に妊娠したことを報告すると、「私の初孫!」と大喜びしてくれました。しかし続けて「これで私の立場も安泰」「きっと私にそっくりな子が生まれるわ」「最初に抱っこするのは私」といった発言をしてきて、まるで自分が主役のような口ぶりだな……と感じました。
妊娠後期に入り、出産準備を本格的に始めていたころ、義母が大きな段ボールを抱えてわが家に来ました。そして「今の人はすぐ何でも新品を買うけど、贅沢すぎる! だから、早めの出産祝いにこれをあげるわ」と言います。段ボールの中には、夫が赤ちゃんのときに使ったという黄ばんだ肌着や、毛玉だらけのぬいぐるみが入っています。極めつけは、底から出てきた哺乳びんセット……! ニップルはカチカチに硬くなり、茶色く変色しています。しかし義母は「35年前の物だけど、洗えば大丈夫よ!」と自信満々。義母の勢いに、私はフリーズしてしまいました。
そのとき夫が「気持ちはありがたいけど、新しい物をそろえようと思う。もらった中から何か一つ、思い出の品として使おうかな」と伝えます。すると義母は「今の若い子は本当にわがまま! 私のやり方がそんなに嫌なの?」とまさかのブチギレ。その後も「贅沢言っちゃだめよ」「私が大事にしてきた物をあげるって言っているのに断るなんて!」と、義母の抗議は続きました。
すると夫は「思い出の品を大切にするのもいいけど、35年も前のものは、衛生面が心配だよ。赤ちゃんのことを考えたら清潔なものを使わせたい。母さんならわかるだろ?」と話します。というのも、義母は子育て中、衛生面にはとても気をつけていたそう……。自分の過去を振り返って、言葉に詰まる義母。続けて夫は「初めての赤ちゃんなんだから、ベビーグッズを買いそろえるのも楽しみたいんだ」と説明。ようやく義母は「わかったわ」と折れてくれました。
そして、出産予定日が近づいたころ、義母から小さな包みが届きます。中には「出産頑張ってね」という短い手紙と、新品のベビー服やソックスが入っていました。
退院の日にそのベビー服を着せて義実家に行くと、義母はしばらくそれを見つめて「……やっぱり新品っていいわね。……あのときはなんだか、自分がしてきた育児がもうとっくに終わって次の世代に変わっていくんだと思ったら寂しくて。つい嫌なことを言ってしまったわ。あんな使い古した物を、こんなにかわいい生まれたての赤ちゃんに使わせるなんて絶対嫌よね。本当にごめんなさいね」と謝ってくれました。そのとき初めて、義母の中にも葛藤があったんだな……と理解し、ようやく胸のつかえが下りた気がしました。
その後、カチカチのニップルについては、義実家とわが家の間で笑い話に。今回丸く収まったのは、夫が思いをしっかり伝えてくれたおかげです。義母との関係で悩んだときは、相手の気持ちを聞きつつ自分も意思表示することが大切だと実感しました。
著者:今野麻紀/30代・ライター。夫と6歳の長男、4歳の長女、2歳の次女の5人家族。看護師からライターに転職し、楽しく働いている。デスクワークにより運動不足が加速中。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
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