兄さんの…奪っちゃってごめん!
ある夜のことです。僕が仕事帰りにビールを飲みながらほっと一息つこうとしていたところ、久しぶりに弟から電話がかかってきました。珍しいなと思って出てみると、電話の向こうから聞こえてきたのは驚きの内容でした。
「兄さんの婚約者、奪っちゃってごめんw」
一瞬何を言っているのか理解できませんでしたが、弟は続けます。
「いや~俺たち相性良くて! 兄さんの婚約者って、人気美人モデルのAだろ?」
「まぁ、そうだけど…」
相手は僕の婚約者であるAだと言うのです。僕とAは今年婚約を発表しました。弟は「結婚するなら兄さんより、俺のほうが合うって言われた~」などと得意げに話してきました。
明かされる衝撃の事実
しかし、当の本人であるAはそのとき僕の隣でコーヒーを飲んでいました。弟に「お前が言っているAは、今僕の隣にいるよ」と伝えると、電話越しに混乱する声が響きました。Aも電話の会話に加わり、「はじめまして。婚約者のAです」と名乗ると、弟はさらに混乱。
というのも、弟が「俺の婚約者」と言った人物とAは苗字が違うのです。
隣で話を聞いていたAは青ざめた顔をして
「その人って…たしか最近婚約発表していたはずよ!」と一言。
Aが言うには、弟の婚約者だという女性は少し前にテレビで婚約発表をしていたとか。しかも婚約相手は……弟の勤務先にいるBという男性。今、弟が一緒に仕事をしている人です。
事実を知った弟は、電話口でも、明らかに焦っている様子でした。
まさかの発言
あの電話の後、弟は婚約者に改めて‟モデルのA”でないかを確認したそうです。
「本当にAじゃないのか!?」
「違うよ! 私のこと、Aさんと間違えて近づいてきたってこと…?」
弟がモデルのA狙いでこの女性に近づいたことがわかり、2人の関係は終わりに。ただ、女性は既婚者で、弟もそれを知りながら近づいたということで、弟が務める会社では、「不倫だ」と白い目で見られるようになったよう。
「あの人、Bくんの婚約者をお兄さんの婚約者と勘違いして略奪しようとしたらしいよ~」
「え!やばくない?」
仕事を頑張っていた弟ですが、今回のことで周りからの信頼を失ってしまったようです。
これから僕たちは
それから2カ月後、僕とAは入籍しました。
「弟の件で迷惑をかけたね。申し訳なかったよ」
「あなたががいてくれれば、それだけで私は十分幸せよ」
Aのその言葉が、何よりもうれしかったです。
「これからもAだけを大切にするよ」
「ふふっ、そんなこと知ってるに決まってるじゃん」
Aの笑顔に、改めてこの人と出会えてよかったと心から思えた夜でした。
弟は、自分の思い込みと軽率な行動で、多くのものを失ってしまいました。家族として心配ではあるけれど、弟は自分でしたことを反省し、変わっていくしかありません。
反省しているようではあるので、僕たち夫婦は適度な距離感で見守ろうと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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