主人公は、夫と2人で暮らす女性、キク。キクは妊娠しにくい体質でしたが、お金とメンタルのことを考え、不妊治療はしていませんでした。妊娠は自然にまかせていたところ、2年くらいで妊娠。しかし、流産してしまった過去がありました。
キクがつらいこと。それは…
過去に流産した経験から「妊娠恐怖症」になってしまったキク。「妊娠」や「妊婦」という言葉を聞くだけでも、苦しくなってしまう状態でした。そのため、子どもは好きだけれど、もう妊娠したくないし、妊娠しないつもりでいたキク。キクの夫であるレンも、そんなキクの気持ちを理解し、キクを支えてくれていました。
しかし、そんなキクを追い詰めていたのは、キクの実の母親であるクズエ。クズエは時々、キクの家に勝手にやってきては「私も”普通に”おばあちゃんになりたーい」「職場の皆はいいなぁ。私も早く孫を抱きた~い」「妊娠なんかなんも怖くねぇわ」「とっとと妊娠しないと、亡くなった子が帰ってきてくれないよ」と、キクに対して「孫産め」攻撃をするのです。
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流産という、つらく悲しい経験をした娘に対して、キクの母親は、なんという言葉を浴びせるのでしょうか…。励ましたり、勇気づけるのならわかりますが、ただただ自分の願望だけを優先しての発言。自分が妊娠していたときに不安に思う気持ちは全くなかったのでしょうか。そんな気持ちを知っている人の言葉とは思えませんね。
「赤ちゃんを欲しい」「育てたい」という気持ちがある人もいれば、そうでない道を選ぶ人もいます。どちらにもそれぞれの幸せがあります。義母の“孫を産め”という言葉が、キクさんを苦しめてしまっているはとてもつらいこと。誰かの願望のために、自分の人生を折り曲げる必要はありません。
夫が、キクの心をちゃんと理解して、キクの心を優先してしてくれるのがせめてもの救い…。母にはこれ以上、キクを追い詰めないでほしいですね。