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出産や入院にかかる費用やもらえる手当は?結局いくら出産準備に必要?

この記事では出産にかかる費用について、専門家監修のもと解説します。できる限り出産費用を安くすませたい……。そう考えるママも多いかもしれません。しかし、何が起こるか分からないのが出産です。備えあれば憂いなしという言葉もあります。これを機に夫婦でお金のことについて話し合うのもよいでしょう。

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監修者プロファイル

助産師YUKO

看護大学を卒業後、大学附属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。その後、私立大学看護学部の実習助手、市役所臨時職員の保健師を経て、ベビーカレンダーの記事執筆・監修に携わる。2015年に1児を出産し、現在子育て中。
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分娩費用のイメージ

 

出産を控えたママにとって、分娩費用と入院費用は気になるポイントですよね。赤ちゃんに会える日が待ち遠しい反面、どのくらいお金がかかるのか心配なママもいるのではないでしょうか?赤ちゃんを迎えるためにかかる金額と、その内訳を解説します。

 

分娩費用と入院費用の相場

出産には実際のところ、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?分娩費用と入院費用の相場をご説明します。

 

●分娩費用と入院費用、自己負担の相場は約8.5万円
国民健康保険中央会(※1)によると、平成28年における出産費用(正常分娩)の全国平均は505,759円でした。これは分娩費用と入院費用を足した合計です。既にご存知のママも多いでしょうが、国から「出産育児一時金」として42万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関などで出産した場合は39万円)が支給されるため、これを差し引いた額が実際の自己負担額となります。(※2)

つまり、仮に出産費用が505,759円だとすると、自己負担額は85,759円です。

(出産費)505,759円 ー(出産育児一時金)42万円 =(自己負担額)85,759円

「想像より安い」と感じたママも多いかもしれませんが、あくまで平均額であることを心に留めておきましょう。

 

分娩費用と入院費用の内訳

出産費用の内訳は次の通りです。

 

●分娩に関する費用
分娩料の平均は254,180円。分娩料とはお産の行為そのものにかかる費用です。分娩方法によって大きく異なるのがポイントです。

●入院に関する費用
入院に関係する項目として「入院料」と「室料差額」があります。

 

・入院料
入院日数と分娩場所によって費用に差が出やすい項目です。全体の平均は入院日数6日で112,726円です。これに対し、助産所のみでの集計結果では平均5日間で84,246円となっています。

 

・室料差額
室料差額とは、基本の入院料にプラスして発生する室料を指します。バストイレ付きや個室など、部屋のランクを上げると室料差額が増えます。

●赤ちゃんとママの処置にかかる費用
分娩と入院そのものにかかる費用とは別に、検査や処置の費用もかかります。

 

・新生児管理保育料
赤ちゃんに対する管理・保育にかかる費用です。

 

・検査・薬剤料
ママに対する検査代と薬代です。ママは退院までの間に何度か検査を受け、必要に応じて薬が処方されます。

 

・処置・手当料
医学的処置や乳房ケア、産褥指導などの費用です。乳房ケアとは授乳がスムーズに行えるように施される手当やマッサージなどです。

・産科医療補償制度
重度の脳性麻痺にかかった赤ちゃんとその家族に対する補償制度です。これに対する掛金が請求されます。加入は任意ですが、万が一、後天的な脳性麻痺にかかったら莫大な治療費がかるため、分娩施設から加入を求められます。(※3)

●その他の費用
文書料や産後に提供されるお祝い膳など、上記以外にかかる費用です。

 

分娩の方法によって金額が変わる!種類別費用

出産費用は分娩方法によっても変わります。

 

●自然分娩
自然分娩は麻酔や陣痛促進剤などを使用せずにおこなう出産方法です。基本的に健康保険は適用されず、自費診療扱いです。費用は40万~60万円が相場(※)といわれています。

●帝王切開
帝王切開はメスを使っておなかと子宮を切開し、子宮から直接赤ちゃんを取り出す出産です。保険が適用される医療行為となり、費用の相場は40万円から高額なケースだと100万円ともいわれています。帝王切開での出産となれば入院日数が増えますので、その分室料が追加されて出産費用が膨らみます。

 

●無痛分娩
無痛分娩とは、麻酔を使用して痛みを取り除く、あるいは軽減しておこなうお産です。無痛分娩の場合は麻酔を投与した後、自然分娩同様に膣を経由して出産します。医療機関によって費用にもバラつきがありますが、自然分娩の金額に麻酔代として10万円前後プラスされるケースが多いようです。そのほかに子宮の入口を広げる処置や陣痛促進剤を使うなどの医療行為が増える場合が多いので、その分の費用もプラスされます。

 

民間医療保険の適用について

民間の医療保険に加入している人は、給付が受けられるかぜひチェックしたいところです。

 

●自然分娩への医療保険の適用
自然分娩は適用されないのが一般的です。ただし、赤ちゃんを膣から出す際に会陰部分を切る「会陰切開」や、赤ちゃんを人工的に引っ張り出す「吸引分娩」・「鉗子(かんし)分娩」に保険金が下りることもあります。

 

●帝王切開への医療保険の適用
医療行為である帝王切開の手術費用が給付対象になるケースが多く見られます。保険によって費用のほとんどがカバーされたという方もいます。

 

●無痛分娩への医療保険の適用
無痛分娩費用は一般的に給付対象ではありませんが、自然分娩と同様に、会陰切開など一部の費用が給付対象になるケースもあります。保険商品によって給付の対象や金額が異なるため、詳しくは、ご加入の保険会社に問い合わせましょう。

 

そのほか分娩以外にかかる費用について

出産にともなうその他の費用として、以下のようなものもチェックしておきましょう。

 

●入院時にかかるそのほかの費用
施設から入院時に持参するよう指示される物品や、入院中の消耗品などで実費請求される物があります。代表的なものとして以下が挙げられます。

 

<入院時に持参する物品>(新品を購入した場合の価格目安)
・産褥ベルト 2,000~5,000円程度
・産褥ショーツ(2~3枚一組) 1,000~3,000円程度
上記合計 3,000~8,000円

 

そのほか、育児用ミルクや母乳パッドなどを実費請求されることもあります。数百円~千円前後です。微々たる金額かもしれませんが、覚えておきましょう。

 

分娩にはトータルいくらかかる?準備しておくべき出産費用の金額は?

お産のためにかかる金額をご説明します。分娩方法や施設によって異なりますので、参考として覚えておきましょう。

 

●トータルで10万円を最低ラインと見込んで
人によっては出産育児一時金や保険金でほとんどまかなえる場合もあります。前述の通り、出産費用の平均額から一時金を差し引いた額は約8.5万円です。しかし、入院中に使った処置や薬代などが増えると10万円を超えますので、雑費も考慮するとなると、トータル10万円を最低ラインと見込んでおくのが賢明でしょう。

ただし、この金額を退院時に支払うには、出産育児一時金を直接支払いにすることを病院に申し込む必要があります。直接支払いにする場合は、事前に病院へ申し込むことを忘れないようにしましょう。直接支払いを利用しない場合は、後日加入している健康保険からお金を受け取ることになりますので、全額を退院時に支払います。退院前にだいたいの金額を医療事務の方に聞いてみると良いでしょう。

●予測不能なトラブルで50万円以上かかる場合も
自然分娩を希望していても、いざ分娩となるとお産がなかなか進まず、吸引分娩になったり緊急帝王切開になったりするというケースもあります。異常分娩になると処置や薬の使用などにかかる費用に加え、入院日数も増えることがあるので、その分出産費用もかさみます。

 

わずかではありますが、結果的に100万円程度の費用がかかったというケースもあります。この場合ですと、出産育児一時金の42万円を差し引いても58万円かかった計算になります。不測の事態については、言い出したらキリがないことではありますが、いざというときに備えて多めにお金を準備しておきたいですね。

 

まとめ

できる限り出産費用を安くすませたい……。そう考えるママも多いかもしれません。しかし、何が起こるか分からないのが出産です。備えあれば憂いなしという言葉もあります。これを機に夫婦でお金のことについて話し合うのもよいでしょう。資金は早め早めに準備して、安心してお産を迎えましょう!

 


参考:

※1:国民健康保険中央会「統計情報 出産費用 平成28年度」

・公益社団法人国民健康保険中央会「出産費用の全国平均値、中央値」

・公益社団法人国民健康保険中央会「出産費用の都道府県別平均値、中央値」

※2:厚生労働省保険局「出産育児一時金制度について」

※3:公共財団法人 日本医療機能評価機構「産科医療補償制度について 制度創設の目的」

 

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