そもそもなぜ「味噌汁は沸騰させたらダメ」なのか?
「味噌汁を沸騰させたらダメ」というのには、実は理由があります。
味噌を溶かした後に味噌汁を沸騰させてしまうと、味噌の香りや風味が飛び、味噌本来の味が落ちてしまうと言われています。
味噌の栄養素も失われるとされており、沸騰させないで作るのがおすすめというのが一般的です。
実際、調理師の筆者も味噌汁は沸騰させるなと教わりました。
しかし、介護施設で調理した時には「安全性」という観点から、味噌汁も沸騰させるのがセオリーでした。
こういった背景があるため、賛否両論が絶えないテーマなんですね。
SNSなどネット上で巻き起こる論争…!
ネットでも「令和では、沸騰させるのが普通」「沸騰させないとか、昭和かよ」など、
・沸騰させる派:最新のやり方
・沸騰させない派:昔ながらのやり方
といった印象を受けました。
うーん、ますます気になります。実際どうなんですかね。
「味噌汁は沸騰させたらまずい?」問題を検証
今回の検証では、沸騰させた味噌汁と沸騰させていない味噌汁を飲み比べてみようと思います。
条件を同じにしたいので、まずは味噌汁を沸騰させずに作り、器に盛る。
そして、残った味噌汁を沸騰させる、という方法で作りました。
それでは、飲み比べていきます。
沸騰させていない味噌汁
まずは沸騰させていない味噌汁ですが、
「やっぱり風味が豊かだな……」
と思いました。
いつもは「ズズズ~」と何も気にせず、お茶でも流し込むように、何も考えず味噌汁を飲んでしまいます。
しかし、今回は検証。
こんなにじっくり味噌汁を味わうのは、お高級な料亭に行った時くらいです(笑)。
そのおかげもあるのか、いつもはあまり感じない、味噌の風味を感じることができて、味に深みがあるように思いました。
続いて、沸かしたバージョンも試してみたいと思います。
沸騰させた味噌汁
沸騰させた味噌汁を先ほどの、沸騰させていない味噌汁と比べると……。
「スッキリしている気がするな」
沸騰させることで、深みよりもクリアな味わいに変化。
先ほどの奥深さが消えて、よりスタイリッシュになったみたいな。
これはこれで、おいしいです。
味噌汁は「沸騰させないVS沸騰する」論争の結論は?
結論=結局、どちらもおいしい!
沸騰させても沸騰させなくても「基本スペックはおいしい」です。
そこに、
・沸騰させていない:奥深い風味
・沸騰させた:スッキリ飲みやすい
という、各々のよさがプラスされるというだけですね。
どっちがいい、というよりも「みんな違って、みんないい」。
あえて、言うなら、筆者的には、沸騰させていない方が好み(やはり昭和な人間にはこちら)。
要は「こってり派ラーメン」か「さっぱり派ラーメン」か、そんなような違いではないでしょうか。
おいしい味噌汁の作り方【味噌投入前なら沸騰OK】
最後においしい味噌汁の作り方を紹介します。
作り方①味噌を入れる前なら沸騰OK
味噌を入れる前なら、沸騰させても大丈夫なので、具材をよく煮込んでおきます。
作り方②味噌は少量のお湯で溶かす
味噌を溶かす時には、少量のお湯を加えて、徐々に増やしていくようにしましょう。
一気に入れてしまうと、ダマになってしまうので、注意してください。
作り方③味噌を入れなくてもおいしく作る
最後は、自分で作る時に気を付けていることをシェアしたいと思います。
それが「味噌を入れる前に、すでにおいしく作る」ことです。
筆者はいつも味噌汁を作る時に「薄いけど、おいしい」という状態を意識して作っています。
具材を煮た時の旨味や、だしの量を確認します。
「薄いすまし汁」を作るようなイメージ。
ここで、おいしければ、味噌を入れるとさらにおいしいです。
つまり“味噌は仕上げの魔法”みたいなもの。
本人(具材を煮込んだもの)が弱ければ、当然、魔法の効きも弱くなるんです。
お好みでお好きな方をどうぞ【味噌汁の沸騰問題の結論】
この記事では、「味噌汁は沸騰させたらまずい?」問題を検証してみました。
結果は、確かに沸騰させていない方が風味がいい気がしました。
しかし、沸騰させた方の味噌汁も飲みやすいおいしい味噌汁という感じで、おいしいことには変わらないという印象。
比べてみた感じは「自分の好みで選ぶ」のがいいと思います。
試してみて、自分にどちらが合うのかを一度試してみると面白いかもしれませんね。