「真面目」で振られた僕
僕には、長年付き合って結婚を考えていた彼女がいました。2人で過ごす日々は笑いが絶えず、僕は彼女のことをとても大切にしていたのですが……。
「ごめん。一緒にいても、真面目過ぎて楽しくない」
ある日、いつも通り過ごした後に彼女から予想外の発言がありました。僕は彼女のことをとても大切にしていたつもりで、彼女も僕と会うときは楽しんでくれていると思っていました。
まさか「真面目過ぎる」という理由で振られるとは思っていなかった僕。かなり落ち込んでしまい、何日か経っても仕事が手に付かず、どこか上の空な日々でした。そんな僕に声をかけてくれたのが、会社で受付担当の後輩であるAさん。彼女は美人で明るく、会社でも男女問わず人気者です。
僕が「恥ずかしながら…」と経緯を話すと、Aさんは「真面目な性格、私はとても良いと思います」とフォローしてくれました。そして、「失恋したときは、おいしいものを食べるのが一番です!」と言って食事に誘ってくれました。
レストランで遭遇
Aさんが予約してくれたレストランまで歩いている途中も、Aさんは僕のことを励ましてくれました。「何がいけなかったんだろう」と嘆く僕に、「真面目な人って一緒にいて安心感がありますよ!」と声をかけてくれ、気をつかってくれているのが伝わってきました。
僕は一生懸命な彼女のことを、「すごくいい子だな」と思っているとレストランに到着。そのレストランは、元カノと何度か来た思い出の場所でした。いつまでも気持ちを引きずるわけにはいかないと思った僕は、意を決してお店の中へ。
席に座ってからも、僕とAさんで話は盛り上がり……。おかげで場の雰囲気が温まり僕の気持ちも次第に落ち着いていきました。
そんな中、レストランの入口に目をやるとなんと元カノの姿が。僕の視線に元カノも気が付いたようで、怪訝な顔をして近づいてきました。
「まだ私のこと好きなの…?」と言う彼女。僕が口を開きかけた瞬間、隣で聞いていたAさんが「この人は私の彼氏です。だから、安心してください」と宣言。
Aさんの言葉を聞いた元カノは、「そうなんだ。お幸せにね」とだけ残して去って行きました。
健気な後輩
Aさんの言葉に僕が驚いて動けないでいると、彼女は僕の腕にすり寄って「うふふ」と楽しそうな様子。どうやら、酔っていたようです。
Aさんが「好き~」と言うのも酔っているからだろうと軽く受け流しながら、彼女を家まで送り届けました。
翌日、会社で顔を合わせるなり「あの、昨日はごめんなさい…慰めるつもりが逆にご迷惑をかけちゃって…! 最悪!」と必死に言うAさん。慌てる彼女の様子を見て、僕は思わず笑ってしまいました。久しぶりに心の底から笑うことができた瞬間でもありました。
そこから、僕たちの距離は近づきました。一緒に出かけたり、食事に行ったり…いつの間にか、彼女といると落ち着くと感じている自分がいました。
ある日、食事をした帰り道に彼女が真剣な声で僕を呼びました。僕が振り返ると、
「あの日のこと、私が酔っていて本気じゃないと思っていますか?」とAさん。続けて、「私はずっと、受付の私に丁寧に挨拶をしてくれるあなたのことが好きです」と言ったのです。彼女は僕のことをずっと好きでいてくれて、振られて落ち込んでいた僕を励ましてくれていたのでした。
僕の気持ち
そんな健気な彼女を、僕も好きになっていました。最初は、元カノに振られて落ち込んでいる気持ちを紛らわせるつもりだったかもしれません。しかし、彼女と話すたびに彼女のやさしさを感じて落ち着く自分がいました。確実に僕はAさんに惹かれていったのでした。
「僕も、Aさんの人のために一生懸命なところが好きです」
僕がそう告げると、Aさんはとてもうれしそうな顔で喜んでいました。彼女のかわいらしい姿に、僕も幸せでいっぱいです。これからは、彼女のかわいらしい笑顔に癒されながら、一緒に将来を歩めたらなと思っています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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