「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、出産後のママへの言葉かけに悩むパパからのご相談です。
Q. 妻に日々どんな言葉を投げかけてあげればよいでしょうか?
妻が出産してから3カ月経ちました。日によって機嫌の変わり方が大きく違います。そのうちのほとんどがイライラ状態です。私は朝早く仕事に行き、帰りは日が変わってから帰宅します。夜泣きしたら子どもの世話をして、朝は早く起きて2人の世話をしています。妻の知り合いからはわりとよく動く夫と言われているようですが、妻本人からすれば心の支えにはまったくなっていません。私自身もそう感じます。
そこで質問ですが、妻に日々どんな言葉を投げかけてあげればよいでしょうか? 褒めたり、共感したりするとよいと一般的に言われていますが、妻に「包容力がないね!」それに加えて「私の体調が悪いのはあなたが原因だ!」など、マイナスの言葉を言われると何て言えばよいかまったくわからなくなります。私に妻を支える気持ちがなければ気にならないかもしれませんが、何とかしたい気持ちがある分、妻に言われてしまうと正直絶句して言葉が出ません。何かよいアドバイスをお願いします。
宮川めぐみ助産師からの回答
質問者さんは奥さまのことをとても大切にされていますね。大切に思っておられるからこそ、このように言葉のかけ方について悩んだり、なんとかしたいと思われるのだと思います。とても素敵だなと思いました。
また奥さまは、質問者さんがお休みのときに、おひとりになれるような時間はありますか? 近くに一人でお茶をしに行かれるのもとてもいいと思います。暖かくもなってきたので、ふらっと少しでもお散歩に行かれるのもいいと思いますよ。もし、ひとりでお出かけすることが難しいようなら、その分おうちでできることをしてみたり、フォローをしてみるのがいいのかなと思いました。
これは、私自身、夫にしてもらえてうれしかったことになります。そして、人によるかもしれませんが、ぎゅーっとハグをしてもらって、背中をさすってもらうことがとてもよかったですよ。背中をさすってもらうのは、とても落ち着きます。息がはーっと抜けていったりします。奥さまは今までにない初めてのことを常に体験しているので、とても肩にも力が入っていると思います。それを溶かしてあげられるかもしれません。質問者さんにハグをしてもらって、奥さまもチャージされるのではないかと思いました。
奥さまにマイナスの言葉を投げかけられても、今のまま言わせてあげることもいいように思いました。同じ土俵に上がらずに受け止めてあげられること、すごいと思いますよ。また平日に半休を取ってみたりされるのはいかがでしょうか? 週末以外にもおうちにいてフォローできる体勢でいるのは、とてもいいのではないかと思いました。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
パパにイライラ…。その原因は?
育児に不慣れなパパにイライラしたり、忙しくて普段育児参加できないパパがおそるおそる育児をする様子に怒り口調になったりすることは育児中の多くのママたちが経験することでしょう。出産前はこんな感じではなかったのにと夫婦関係がぎくしゃくして、戸惑うパパも少なくありません。これはパパが育児に不慣れなことや育児参加が少ないことが原因でしょうか。実は、出産後にママの脳からたくさん分泌される「オキシトシン」というホルモンが関係しているのです。
オキシトシンは快の刺激によって愛情が深まりますが、逆に少しでも不快な刺激が与えられると攻撃性が高まるという働きがあります。この働きはわが子を敵から守ろうとするために母親に備わっていると考えられています。つまり、一番の味方であるべきパパが期待するように協力してくれないことで不快な感情が強くなり、ママの攻撃の対象になっているというわけです。
パパにお願いしたいこと
ママは1日中ほとんど慣れない育児やたくさんの家事とでストレスフルな時間を過ごしていますので、ママを労い、向き合って会話をする時間を作りましょう。ただそれだけのことのようですが、パパに、自分の気持ちに寄りそって話を聞いてもらえているということがママのリラックス状態を作り、快の刺激となりオキシトシンが愛情ホルモンとして働くのです。ママがどんなに怒っていたとしてもきちんと向き合って話を聞き、一緒にママの悩みを考えていきましょう。きっと攻撃性のホルモンから愛情ホルモンに変わりますよ。
そして、ママもたまには息抜きをしましょう。パパにお子さんを預けてショッピングをしたり、お友達とお茶をしたり、体を動かすのもいいですね。一時的に「ママ」の時間から離れ、一人の女性としての時間を持つことでリフレッシュし、また日々の育児を頑張れるようになれます。
育児にお休みはなく、日々の生活に追われる中でママの緊張感やストレスはとても大きいものになっています。パパも、ママの大変さを理解して、いつも夫婦で向き合い、寄り添いあい、助けあっていくことが大切ですね。パパにできることは育児を担うことだけではありませんが、たまには「ママのリフレッシュ休暇」を作れるといいですね。
※参考:ニュース(ママネタ)「産後、夫にイライラが止まらない理由と男性にお願いしたほうがいいこと」【著者:助産師 高杉絵理】