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妊娠中に生卵は食べられるの?赤ちゃんのアレルギー予防との関係は?

この記事では妊婦さんが生卵を食べることについて、医師監修のもと解説します。妊娠中に生卵を食べることは、禁止されているわけではありません。しかし、控えたほうがよい理由や食べるときの注意点などがあります。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師太田 篤之 先生
産婦人科 | おおたレディースクリニック院長

順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
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妊娠中は、お酒やたばこ、生ものやカフェインなど控えたほうが良いものがいろいろありますよね。卵かけご飯やすき焼きを食べるときに使う生卵は、妊娠中に食べて良いのか心配な妊婦さんもいると思います。ここでは、妊娠中に生卵を食べても大丈夫なのか、食べるときのリスクや注意点についてお話ししていきます。

 

妊婦さんは生卵を食べても大丈夫?

卵は、完全栄養食品と称されるほどタンパク質、脂質が多く含まれているほか、リン、カルシウム、鉄分や各種ビタミンも摂取できます。妊娠中、特につわりの時期には食が進まず、さらっと食べられ、栄養価の高い卵かけご飯が食べたくなる方もいると思います。妊娠中に生卵を食べることは、禁止されているわけではありません。しかし、控えたほうがよい理由や食べるときの注意点などがありますので、次に説明していきます。

 

妊娠中に生卵を控えたほうがよい理由

生卵を食べることを控えたほうがよい理由として、サルモネラ菌による食中毒の発症があります。この菌は、卵の殻に付着していることがあり、卵を割ったときに菌が中に入り、加熱せずに食べることで菌を体内に入れてしまうことになります。サルモネラ菌が増殖しやすい状態ですので、生卵の摂取を避けたほうがいいというのはこのためです。
 

妊娠中にサルモネラ菌に感染をすると直接おなかの赤ちゃんに影響があるわけではないですが、腹痛や下痢、嘔吐などの症状がでることがあります。そのときに薬が使えない場合がありますので、感染しないように注意しましょう。

 

卵を食べるときの注意点

生卵の摂取は控えたほうがよいですが、十分加熱した卵でしたら問題なく食べることができます。サルモネラ菌は、75度以上の温度で1分以上加熱することで死滅します。必ず、中心部まで十分加熱し、できるだけ早めに食べるようにしましょう。お弁当に半熟状態の卵焼きを持っていくのは非常に危険ですので、しっかり焼くか、別のメニューにすることをおすすめします。
 

また、生卵の付いた調理器具は必ずきれいに洗ってから別の料理に使うようにしましょう。過去に生卵を割ったボウルを洗わずに、ポテトサラダを作るのに使用して食中毒を起こした事故が発生しています。生卵にはサルモネラ菌がいるかもしれないということを十分知って調理するようにしましょう。

 

その他控えたほうがよい生もの

妊娠中は、卵を始め、加熱が不十分な肉類・乳製品は避けましょう。生肉はもちろん、レアステーキ、ユッケ、馬刺し、鶏刺し、生ハム、サラミ、スモークサーモン、生乳、加熱していないチーズなどに感染源となる菌やウイルスが含まれることがあります。

 

特に注意すべきなのが、トキソプラズマとリステリアです。トキソプラズマは、妊娠中にお母さんが初めて感染することで、おなかの赤ちゃんにも感染し、死産や流産、水頭症、精神運動機能障害などの先天性トキソプラズマ症を起こす可能性があります。リステリアは、妊娠中に感染することで、流産や早産の原因となることがわかっています。

 

また、食中毒を起こす菌やウイルスは数多く存在します。黄色ブドウ球菌、大腸菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、カンピロバクター、ノロウイルスなど挙げればきりがありません。これらの菌やウイルスの感染を避けるには、手洗いをしっかりおこない、調理場所や調理器具は清潔な状態を保ち、調理の際に食品は十分加熱することが重要になります。特に夏場は、菌の繁殖が活発になりますので、こまめに調理場所や調理器具の消毒をおこなうようにしましょう。

 

まとめ

妊娠中に生卵を控えることで、赤ちゃんの卵アレルギーの発症を予防できるわけではないことがわかっています。アレルギーに関する面では問題ありませんが、生卵にはサルモネラ菌が入っている可能性があるため、妊娠中の生卵の摂取は控えておくほうがよいでしょう。生卵以外にも、生の食材は控えておいたほうが安全です。特に、流産や早産、赤ちゃんにさまざまなリスクを残す可能性のあるトキソプラズマやリステリアは、生のお肉や生ハム、加熱されていないチーズなどにも含まれています。そういった食材は避け、十分加熱した食材やメニューにするようにしましょう。また、食中毒の原因となる菌やウイルスを避けるためにも、食品は十分加熱したものを摂取するようにしましょう。

 

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