農業を志し田舎へ移住…農家の夫と意気投合し結婚
関東で生まれ育ったAさんは、30歳のときに会社を辞め地方の田舎町に移住。「農業をやってみたい」という理由で一念発起し、思い切ったアクションを起こしました。
田舎のスローライフにすっかり魅了されたものの、さすがに移住をしてすぐに農業を始めるにはハードルが高く、悩んでいたタイミングで現在の夫と運命の出会い。まさかの農家の息子ということで2人は意気投合し、トントン拍子で結婚、子どもも2人生まれました。
地元でも有数の大規模農家に嫁いだAさんは、義父母と、高齢の夫の祖父母も暮らす家に同居。3世代8人の暮らしでしたが、「にぎやかで新鮮な毎日だった」とAさんは振り返ります。
ところが、2人目を出産し数カ月がたったころ、なんと3人目の妊娠が判明したのです。年子を育てることになり、不安を抱いたAさんでしたが「きょうだいは多いほうがいいから!」と義母も祝福してくれたので、ほっとしたと言います。
3人目妊娠…大きなおなかでも負担は変わらず
しかし、この3人目の妊娠を機に、ほのぼのしていたAさん家族の日常が少しずつ変化していくのです。
すでに39歳だったAさんは、加齢による体の衰えを感じていたようです。当時Aさんと会ったとき、「寝ても寝ても眠たいし、2人目もやっと1歳で、まだ夜泣きもするし大変」と、つらそうに話していました。しかも、家事と育児全般は、Aさんひとりが担っていて、義母や夫のサポートはめったになかったそうです。
「この前なんて、この大きなおなかなのに、ひとりで8人分の食糧の買い出しに行ってと、義母に頼まれ散々だった!」と愚痴っていました。大きな段ボールに大量の食糧を詰め込み、ひとりで車まで運んでとても苦労したそうです。
毎日の夕飯作りも、義母や夫など他の家族が手伝ってくれることはほとんどなく、基本的にすべてワンオペ。すっかりAさんに同情してしまいました。「夫も忙しいから、子どもたちもあんまり懐いてくれなくって。父親なのにおかしいよね」と笑いながら話していましたが、夫の育児参加にも不満があるようでした。
乳幼児を抱えて大家族の面倒…心身ともにギリギリ
その後、Aさんは3人目を無事に出産。さらに家族が増え、よりにぎやかになったAさん家族でしたが、生後間もない赤ちゃんを世話しながら大家族の家事に追われるというAさんの日常は変わらず。さらに忙しさが増しました。40歳直前に出産したこともあり、体力的にはギリギリの状態です。
そして3人目出産から数カ月たったころ、ついに限界を迎えてしまいます。家庭内で協力を得られず、家事や育児をひとりで背負っていたAさんは、疲弊を極め、精神的にも不調を来すように。「不満がたまって、あるとき怒りが爆発して夫や子どもたちにあたり散らかしてしまう、その繰り返しなの……」と、メールで訴えるAさん。人にも会えない状態になり、義母とは子どもたちに食べさせるおやつのことなど、ささいなことでしょっちゅう言い争いをしてしまうようになったと言います。
Aさんの異常な事態に驚いたのが夫。これではいけないと、ようやくAさんと真剣に向き合い、「仕事ばかりに気を取られ、育児や家事のことを見て見ぬふりして丸投げでごめん。親もいるから大丈夫だと思っていた」と謝ってくれたそうです。
それから夫は寝不足のAさんをいたわるようになり、少しでもAさんに睡眠時間を確保させようと積極的に育児に関わるようになりました。食材の買い出しも自ら名乗り出て協力し始め、息子のそんな姿を見ていた義母も事態の深刻さをようやく理解。徐々にAさんを思いやる家族のチームワークが生まれてきたそうです。
まとめ
大家族で家事や育児をひとりに任せてしまっては、どんなに元気な人でも疲弊してしまいます。40歳であれば心身の衰えが少しずつ見え始める時期。年子の子どもを育てながらだと、なおさら負担が大きいということを身近な家族が気付き、サポートする必要があると思った出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:森 うめこ/30代主婦。ケーキよりどら焼き派。過干渉な実母と、音信不通気味な義母、2人との距離感に悩む。
イラスト/おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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