【医師監修】赤ちゃんの血液型がわかるのはいつ?血液検査の方法と費用について
赤ちゃんの血液型は、検査の時期によっては正確な判断ができないことがあります。では、赤ちゃんの血液型を知りたい場合はいつ血液型の検査を受ければよいのでしょうか。今回は、赤ちゃんの血液型の検査方法やタイミング、費用、そして両親から予測される子の血液型パターンについて解説します。
赤ちゃんの血液型は生まれてすぐわかる?
赤ちゃんの血液型は、生まれてすぐの検査では正確でないことがあります。
血液型を調べるには、オモテ検査とウラ検査があり、生まれたときはオモテ検査のみおこない、その時点での血液型を知ることはできます。ですが、実際には異なる血液型の可能性もあり、後からおこなう検査で、稀に当初診断された血液型とは違うことがあります。
赤ちゃんの血液検査の方法
■血液検査について
血液検査では、オモテ検査と呼ばれる赤血球側を調べる検査と、ウラ検査と呼ばれる血漿(けっしょう)側を調べる検査をおこないます。それぞれの特徴は次のとおりです。
<オモテ検査>
赤血球側の検査では、赤血球膜上にあるA抗原とB抗原を調べます。たとえばこのとき、A抗原のみ検出された場合は、「A型」となります。
<ウラ検査>
血漿側の検査では、血漿内の抗A抗体と抗B抗体を検査します。たとえば「A型」の場合は、抗B抗体だけが検出されます。
新生児の場合は、通常オモテ検査のみをおこないます。これは、ウラ検査で検出する抗体が新生児のときには十分に作られておらず、母体から移行した抗体が反応して正確な診断ができない場合があるためです。
また、新生児におこなわれるオモテ検査でも、新生児は抗原の強さが成人の3分の1程度で、検査する血液型検査でのA型抗原・B型抗原の反応が弱いためにA型やB型と反応せず、O型と判定される場合があります。こういったことからルーチンで赤ちゃんの血液型を検査しないことが多くなっています。
よくいわれる「赤ちゃんの血液型は変わることがある」というのは、血液型が別の型に変わったということではなく、正しく判定ができないということになります。
■正確な判定ができる時期
いつ血液型の検査をすれば正しい血液型を知ることができるのでしょうか。
A型、B型の判定ができるA抗体とB抗体は生後6カ月ごろから生産されはじめ、この抗体が十分な強さになるのは1歳ごろになります。そして、抗原の強さは3歳以降に成人と同等になります。
そのため、正確に血液型を判定するなら4歳になってからが良いとされています。また、小学生になるころに再検査を受けることで、より正確な判定ができます。
ですので、医学的な理由等で血液型の確定診断をしなければならないという場合を除き、血液型を知りたい場合は小学生になるころに検査を受けることをおすすめします。
血液型の検査は、手術などによって必要になったケースなどを除くと、保険が適用されません。自己負担額は1,000~5,000円です。自費診療の検査はクリニックによって費用が異なるので、事前に確認しておきましょう。
両親の血液型の組み合で予測できる血液型
子どもの血液型は、両親の血液型からある程度推測できます。両親の血液型の組み合わせによる子どもの血液型は次のとおりです。
■A型の子どもが生まれる組み合わせ
・A型×A型
・A型×B型
・A型×AB型
・A型×O型
どちらかの親がA型であれば、A型の子どもが生まれてくる可能性があります。
■B型の子どもが生まれる組み合わせ
・B型×B型
・B型×A型
・B型×AB型
・B型×O型
A型と同じく、どちらかの親がB型であれば、B型の子どもが生まれてくる可能性があります。
■AB型の子どもが生まれる組み合わせ
・AB型×A型
・AB型×B型
・AB型×AB型
・A型×B型
AB型の場合は、どちらかの親がO型の時点でAB型の子どもが生まれることはなくなります。
■O型の子どもが生まれる組み合わせ
・O型×O型
・O型×A型
・O型×B型
・A型×A型
・A型×B型
・B型×B型
どちらかの親がAB型の時点で、O型の子どもが生まれることはなくなります。
また、A型とA型、A型とB型というように、どちらの親もO型でなくてもO型の子どもが生まれることがあります。
参考:
血液型について|大阪府赤十字血液センター|日本赤十字社 <https://www.bs.jrc.or.jp/kk/osaka/donation/m2_02_01_00_bloodtype.html>
まとめ
両親の血液型から赤ちゃんの血液型の予測はつきます。生まれてから血液検査を受けても、稀に異なる血液型と診断されることがありますので、正確な血液型の判定ができる時期は、小学生ごろということを覚えておくと良いと思います。
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