【医師監修】赤ちゃんが泣き止まない時の原因と対処法とは?

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師松井 潔 先生
小児科 | 神奈川県立こども医療センター 産婦人科

愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。

泣いている赤ちゃん

 

生後間もない赤ちゃんが泣き続けて、困ったことのあるママやパパも多いのではないでしょうか。赤ちゃんが泣いているときは、何らかの理由があるため、その理由に合わせた対処を心がけるようにしましょう。今回は、赤ちゃんが泣き止まないときに考えられる原因や、泣き止んでもらうためのコツについてお話ししていきたいと思います。

 

 

ママやパパの大きな悩み! 赤ちゃんが泣き止まないのはどうして?

赤ちゃんがなかなか泣き止まないときは、何らかのサインを発している可能性があります。言葉を知らない赤ちゃんは、感情を伝える方法が「泣く」以外にありません。そこで、ママやパパは赤ちゃんに変わったことが起きていないか、確認してみると良いでしょう。泣く理由の多くはおなかが空いたとき。これは、授乳をすることで泣き止みます。このほか、おむつが濡れているケースもよくありますが、これもおむつを替えることで解決します。

 

おっぱいをあげたばかりで、おむつもきれいなはずなのに泣き続けるときは、赤ちゃんは「不快感」を覚えていることがあります。眠りたいのに眠れない、体感温度が熱すぎるか寒すぎる、ベッドの寝心地が悪いなどの理由を探ってみましょう。ちょっとした音や照明を嫌がっていることもありえます。大人にとっては何も感じない環境でも、繊細な赤ちゃんにとっては気になる要素になってしまうことがあるのです。

 

また、生後5カ月ほどまでの赤ちゃんは特に理由がなくても泣き続ける傾向があります。ママやパパは、赤ちゃんとは泣くのが当たり前だと受け入れ、やさしく接するように心がけましょう。


ただし、「赤ちゃんは泣くのが普通なので、泣き止まなくても放っておけばいい」という考え方は危険です。時として、赤ちゃんは便秘などの体調不良や発熱を伝えたくて泣いている恐れがあるからです。泣き止まない状態が続くようなら、体温を測ってみるなどして体調が悪くないかどうかを確かめ、必要があれば病院に連れて行きましょう。便秘ぎみだったり、おなかが張っている様子があれば、綿棒浣腸をしてうんちやガスを出してあげると良いでしょう。
 

 

 

赤ちゃんが泣き止まないときの対処法について

赤ちゃんが泣き止まないとき、真っ先に考えたいのは「おなかがすいている可能性」です。このとき、「十分に母乳をあげたはずなのに」という先入観は捨てましょう。赤ちゃんはその日の体調によって、満足する量が変わります。いつもの量では足りずに、泣いていることも多いのです。臨機応変に母乳をあげましょう。ただし、育児用ミルクや離乳食は1日あたりのカロリーや栄養量が計算されています。多めにあげる場合は、育児用ミルクよりも母乳にするのが適切です。


気をつけたいのは、「泣いたら、とにかく母乳」と安易な対処を繰り返してしまうことです。赤ちゃんはおっぱいをくわえたら、おなかがいっぱいでも飲んでしまう習性があります。そうすると、本当の泣き止まない原因が解決されないままになってしまうことがあります。赤ちゃんのおなかがふくらんでいるときは、おっぱい以外の原因がある可能性が高いです。たとえば、「おむつが汚れている」のもよくあるケースなので、すぐに取り替えてあげるようにしましょう。


そのほか、「乱れた洋服を直してあげる」ことや、寒暖に対する訴えの場合は「重ね着させたり、逆に枚数を減らしたりしてみる」など、衣服の調整も泣き止まない赤ちゃんへの効果的な対処法となります。遮光したり、テレビなどの音量を下げたりして、赤ちゃんが過ごしやすい環境を整えるのも効果的です。寝苦しくて赤ちゃんが苦しんできるときは、寝返りを手伝ってあげたりすると泣き止むこともあります。

 

しかし、何をしても泣き止まないときはあり、泣きのピークは生後1~2カ月ごろからおきて、生後5カ月ごろにおさまってきます。そのことを知っておくだけでも気持ちが楽になるかもしれません。

 

 

揺さぶりすぎに要注意! ママの心構えとイライラ解消法

泣き止まない赤ちゃんに接するとき、泣き止まないことで、赤ちゃんを激しく揺らしてしまうことのないように気をつけましょう。激しく揺さぶられることによっておこる「乳幼児揺さぶられ症候群」となる危険性があります。この症候群は、網膜出血や硬膜下出血、意識障害が起こる可能性があります。赤ちゃんにさまざまな悪影響があるだけでなく、最悪の場合には死に至る恐れすらあるのです。赤ちゃんが頻繁に嘔吐したり、長時間眠って目覚めなかったり、異変が目立つような場合は、病院ですみやかに検査してもらいましょう。


乳幼児揺さぶられ症候群は、生後半年までの赤ちゃんがかかりやすいのですが、2歳までは発症のリスクが消えません。乳幼児揺さぶられ症候群を防止するためには、赤ちゃんをゆっくりとやさしく抱っこする必要があります。

 

とはいえ、泣き止まない赤ちゃんにストレスを感じてしまうと、思わず激しく揺さぶってしまうママやパパもいます。特に、赤ちゃんに長時間接することが多いママは、いわゆる「育児ノイローゼ」にかかることも珍しくありません。赤ちゃんの健康には、ママのメンタルケアも大きく関わってきます。


ママのストレスを軽減するためには、周囲の協力が大切です。パパや家族にサポートをしてもらい、心身ともに疲労がたまったときは休息をとりましょう。また、パパに家事を代わってもらったり、夜泣きのときに対応してもらったりするのもストレス解消のコツです。「自分だけが苦しんでいる」という状況を改善すれば、イライラも収まっていくでしょう。

 

 

まとめ

赤ちゃんが泣き止まないときは、パパやママにとってストレスになりますよね。ストレスが蓄積されると、育児ノイローゼにもなりかねません。しかし、赤ちゃんが泣く理由を知っていると冷静に対処することができることもあるかもしれません。そもそも、「赤ちゃんが泣くのは健康の証」だと考え、マイナスな感情を抱かないようにできると良いですね。どうしてもストレスや疲労が解消されないときは周囲の協力を求めるなどして、思い悩まないようにしましょう。

 

【参考】
厚生労働省 赤ちゃんが泣き止まない~泣きへの対処と理解のために~

 

 

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