【助産師監修】命名書の書き方は?命名式(お七夜)の由来や食事、内祝いの選び方
子どもが成長していく中で、さまざまなお祝いごとがあります。赤ちゃんが誕生して7日目におこなわれるのが「お七夜」と呼ばれる、赤ちゃんの名前を披露するお祝いです。「名付け祝い」「命名の儀」とも呼ばれます。今回は、「命名式(お七夜)」について解説します。
7日目に命名式をする理由
「お七夜」の言葉は、平安時代の貴族の儀式に由来すると言われています。医療や栄養、衛生事情が発達していなかった昔は、生後すぐに亡くなる赤ちゃんが多かったため、生後6日までは神様に生命を委ね、7日目を迎えられた子は、初めて人間の子になれると考えられていました。わが子に名前をつけ、家族の一員になれた喜びを祝ったのが生後7日目の夜。このことが「お七夜=命名式」の由来と言われています。
命名書の書き方、保管方法について
お祝いの席では招待客に赤ちゃんの名前を披露するため、「命名書」が必要になります。ここでは一般的な命名書とされる、筆で半紙に書く方法について説明します。正式と略式がありますが、どちらで作成しても問題ありません。
●命名書の書き方
用意する物:命名書半紙(奉書紙または美濃紙)、毛筆、濃い墨汁
・正式
奉書紙を横半分に折り、折り目を下にして、縦を三等分に折る。開いて三つ折りになった内側の中央に、毛筆で赤ちゃんの名前を大きく書き、その横に、生年月日、両親の氏名、続柄などを書きます。三つ折りの左側に命名式の日付と名付け親の名前、右側に「命名」と書きます。墨が乾いたら、左・右の順で折りたたみ、別の半紙などで上包みをかけ、上包みにも「命名」と書いて完成です。
・略式
半紙の真ん中に毛筆で赤ちゃんの名前を大きく書き、両脇に両親の名前と続柄、生年月日を書きます。
命名書は三方に乗せ、神棚や床の間に飾ります。感謝の気持ちを込めてお供え物も忘れずに。近ごろは神棚や床の間がない家が多いですが、その場合は赤ちゃんのベッドの枕元に貼ってもOKですが、命名書が赤ちゃんの顔を覆わないよう、テープなどでしっかり留めるように注意しましょう。
命名書を飾る期間は決まっていませんが、役所へ出生届の提出を終えたころ、またはお宮参りを終えたタイミングで、へその緒と一緒に保管するのが一般的です。ただ、せっかくなので、きれいな額などに入れてインテリアとして飾っておくのもよいでしょう。
最近は、赤ちゃんの手形、足型を一緒に残せる物、かわいいキャラクターデザインの物、フォトスタンド型など、命名書にもいろいろなタイプがあるので、好みの物を探してみてはいかがでしょうか。
命名式の食事はどのようなものが良いか
お祝い膳は、赤飯や尾頭つきの魚、紅白の麸などの献立を用意するのが正式ですが、ママも退院して間もないころ。ママは赤ちゃんのお世話が精一杯で、ご馳走を作る余裕などありません。
仕出しやケータリングなどを利用して、できるだけママへの負担をかけないよう無理のない範囲でおもてなしを。命名式をおこなう日も、生後7日目の夜にこだわる必要はなく、家族の都合のよいタイミングでおこなうのがおすすめです。
お祝いをいただいた方へのお返しについて
お七夜は家族のお祝いになるので、招待するのは祖父母や近しい親族になります。お七夜に招待した方へは祝い膳がお返しになるので、基本的にお返しを用意する必要はありません。ただ、参加できずに出産のお祝いをいただいた方へは、電話や手紙で直接お礼をお伝えし「内祝い」を贈るようにしましょう。
内祝いの品は、先方からいただいた金品の半額を目安に、商品券や菓子折りなどを選ぶのがおすすめです。紅白5本の蝶結びの熨斗(のし)を用意し、表書きには「内祝い」と記し、赤ちゃんの名前で送ります。
赤ちゃんの名前をつけてくれた人がいる場合には、名付け親へのお礼として1万~2万円相当のお礼が必要になります。現金でお返しするのではなく、商品券やカタログ、お酒やお菓子など、お相手の方が喜ぶ嗜好品などを選ぶとよいでしょう。
まとめ
赤ちゃんが生まれてから親族が集まる最初のお祝いが「お七夜」になる人も多いはず。ただ、新米パパ・ママにとっては、赤ちゃんのお世話を始め、慣れないことの連続なので、比較的余裕のある妊娠中から段取りをつけておく、または実家の両親に甘えて準備をお願いしてもよいでしょう。
お祝いの席に、赤ちゃんとママがずっと同席する必要はありません。あいさつを済ませたら隣の部屋で横になるなど、無理のない範囲でお祝いに参加するようにしましょう。ママと赤ちゃんが退院していない場合は、命名書のみを飾り、退院後の落ち着いたタイミングでおこなうようにしましょう。
参考:
日本文芸社 「家族で楽しむ 子どものお祝いごとと季節の行事」
新星出版社 「冠婚葬祭マナーBOOK」
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