妊婦さんは岩盤浴をしても大丈夫?妊娠中に岩盤浴へ行った場合の影響について

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岩盤浴イメージ

女性に人気が高い岩盤浴。妊娠すると心身ともに疲労が出てくるので、岩盤浴で癒されたいという方も多いのではないのでしょうか。岩盤浴は、美容と健康に対する効果・効能がたくさんあるとして女性が気軽に利用するようになりました。今回は、妊娠中の岩盤浴の利用についてお話します。

 

 

岩盤浴とは?

岩盤浴とは、40℃ほどの温度に温めた天然石や岩石を加工したベッドの上に、バスタオルなどを敷いて横たわり、発汗作用を得られるサウナのようなお風呂のひとつです。
 低温でゆっくりと全身を温められることから、様々な効果があるといわれ、岩盤浴のできる専門店や、併設する温泉施設、トレーニングジムなどがあります。

 

 

岩盤浴の効果

岩盤浴は一般的には次の効果があるといわれています。

 

①新陳代謝がよくなり脂肪を燃焼しやすい体にしてくれるためダイエット効果が期待できる
②汗をかくことで体から有害物質が排出されるためデトックス効果が期待できる
③血液やリンパの流れがよくなり浮腫みや肥満、冷え性などが解消され頭痛や肩こりにも効果的


岩盤浴というと、上記の通りダイエット効果やデトックス効果が期待される健康法です。しかしながら、岩盤浴の効果について科学的根拠のある論文や誰にでも当てはまる結果を述べる論説は今のところ存在しません。

 岩盤浴による体温の上昇は一時的なものなので、体脂肪の燃焼に結び付く効果はほとんど期待できません。サウナのように発汗作用はありますが、岩盤浴の後に体重が減るのは、単純に水分が失われただけです。デトックス効果として、汗をかくことが健康的とする風潮はありますが、そもそもデトックスという言葉自体が、なにを意味しているのか科学的な定義づけはなく、曖昧な表現でもあります。

医学的な視点では、アルコールや薬物に対する依存を断ち切るために身体から依存している物質を排出する目的の治療をデトックス、重金属の排出を行う治療をキレート療法と呼びますが、一般的な健康法で使用される用語のデトックスとは異なります。

 

 

妊婦は岩盤浴を利用しても大丈夫?

妊娠中に岩盤浴を利用することについて、かかりつけの産婦人科で医師や助産師へ「岩盤浴を利用してもいいか」と相談しても、「ダメ」とハッキリ回答されることもあれば、「自己責任で」と返答されることもあるでしょう。なぜなら、岩盤浴は民間療法であり、科学的根拠がなく、判断材料が乏しいからです。

 

ここでは、妊娠中に岩盤浴を利用するデメリットについてお話します。

①母体の体温上昇が胎児や妊娠継続に影響する可能性がある。
母体の体温が上昇すると、子宮の筋肉のなかで、子宮の筋肉を弛緩させる作用があるエピネフリンというホルモンの量が減少するため、子宮収縮が起こり、早産の危険性が高まります。また、お腹の中の赤ちゃんの体温は母体の体温よりも0.5℃程高いですが、この温度差が逆になった時、つまり母体の体温のほうが高くなるような、あえて高温多湿の状況で過ごすことを選ぶ必要はないでしょう。

 

②妊娠中は、のぼせ、立ちくらみ、脱水を起こしやすい。
妊娠中は血液循環量が増えているため、岩盤浴やサウナ、温泉など蒸し暑い場所で過ごすと、血行が良くなりすぎて気分が悪くなったり、のぼせ、立ちくらみなどを起こす危険性があります。また、汗を大量にかくことで、妊娠していない状態よりも脱水症状を引き起こしやすく、血栓症にも注意が必要です。

 

③妊婦は、滑りやすい環境で転倒する危険性がある。
岩盤浴を行う施設は滑りやすい環境で、妊娠によってお腹が大きくなり、身体のバランスが取りづらい状況で、転倒する危険性があります。血行がよくなり、立ちくらみなどを起こすことと関連しますが、思いがけない状況で転倒して、お腹や頭を打ってケガをするかもしれません。

 

④岩盤浴の施設は高温多湿のため、細菌が繁殖しやすい。
岩盤浴の施設のように、不特定多数の老若男女が出入りする高温多湿の環境は、定期的に清掃をしていても、細菌やカビなどが繁殖しやすい状況です。妊娠中は、妊娠していない時よりも抵抗力が低下しているため、感染のリスクは高くなっています。感染症は避けるためにも岩盤浴は利用しないほうがよいでしょう。

 

 

まとめ

民間療法である岩盤浴の効果に科学的根拠がなく、医学的な判断はできませんが、妊娠中にお腹の中の赤ちゃんを守ることよりも岩盤浴の利用を優先する必要はないでしょう。岩盤浴以外でリフレッシュできる方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

 

監修者

医師 天神尚子 先生

産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長


日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。


経歴

1981年 日本医科大学医学部卒業
1988年 米国ローレンスリバモア国立研究所 留学
1994年 日本医科大学 産婦人科学講師
1995年 東京都教職員互助会三楽病院 産婦人科科長
1995年 日本医科大学 産婦人科学客員講師
2004年 三鷹レディースクリニック開業


2019/01/15


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