【医師監修】妊婦中の花粉症対策は?妊婦さんも飲める薬はある?

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花粉症の妊婦さんのイメージ

 

妊娠すると花粉症が悪化するといわれています。妊娠する前、花粉症がつらくて薬を使用していた方もいるでしょう。ここでは、妊娠中の花粉症についてくわしく説明します。

 

 

妊娠すると花粉症が悪化する?

妊娠すると花粉症が悪化するといわれています。まずは、花粉によるアレルギー反応の仕組みについて確認しておきましょう。花粉症は次のように発症します。

 

1)体内に入った花粉を体が異物として認識し、抗体が作られる
2)花粉が再び体内に入ったときに抗体が反応し、ヒスタミンが放出される
3)ヒスタミンの影響でくしゃみや鼻水、涙などのアレルギー症状が出る


スギやヒノキなどの花粉に対し、この反応が過剰に出るのが花粉症です。

妊娠中は、増加するホルモンの働きによって身体に水分が蓄えられやすくなり、鼻水や涙の分泌が抑えられます。すると体の防御機能である粘膜の働きが弱くなるので、少しの花粉でも過剰に反応してしまい、花粉症を発症したりひどくなってしまうといわれています。また、妊娠中は鼻の粘膜が過敏になることも原因の1つとされています。

 

 

妊婦の花粉症が胎児に与える影響について

花粉症にかかると、胎児に悪影響が及ばないか心配になる方もいるでしょう。花粉症は総人口の40%以上が発症する、いわゆる「現代病」で、出産する年齢の人でも多くの人がかかっています。花粉症を持っている妊婦と持っていない妊婦の赤ちゃんを比較した調査は少なく、花粉症にかかっていること自体で赤ちゃんに影響があるのかどうかは現時点でははっきりしていませんが大きなリスクの増加ではないと考えられています。

 

花粉症によるくしゃみによっておなかに力が入り、流産や早産に繋がらないか心配される方もいますが、数回のくしゃみ程度であれば問題はありません。ただし、くしゃみを繰り返すようであればおなかが張ってしまったり、鼻の粘膜が弱くなって鼻血が出やすくなることもあります。


また、花粉症のようなママのアレルギー体質が胎児へと受け継がれてしまうのではないかと心配になる方もいるでしょう。今のところ、アレルギーが遺伝するメカニズムははっきりわかっていません。遺伝にはさまざまな要因が複雑に絡み合っているため、妊娠中に花粉症になったとしても、生まれてくる赤ちゃんも同じく花粉症になるとは限りません。

 

 

妊娠中は花粉症の薬を飲んでもいいの?

一般的な花粉症の治療には、涙や鼻水の症状を抑えるために点鼻薬や点眼薬が処方されることがあります。飲み薬(内服薬)が処方されることもあります。これらの成分はヒスタミンの増加を抑える抗アレルギー剤や血管収縮剤、ステロイドにより炎症反応を抑える薬剤があります。抗アレルギー剤の中にもいくつかの分類がありますが、抗ヒスタミン剤の第一世代、第二世代と呼ばれる種類の薬剤で妊娠中の人に処方されるものがあります。

 

フェキソフェナジン(薬剤名 アレグラ)、レボセチリジン(薬剤名 ザイザル)、セチリジン(薬剤名 ジルテック)、クラリチン(薬剤名 ロラタジン)などが処方されることがあります。これらの薬剤は海外(米国FDA等の機関による評価)でもリスクが低いと考えられていますが、一方で処方する医師の意見に左右される部分も大きいため、詳しくは担当の医師に相談するのが良いでしょう。


また、西洋医学の薬ではなく、漢方薬が処方されることもあります。小青竜湯は鼻水、くしゃみなどの症状に効果があるとしてよく処方されます

 

 

妊娠中の花粉症対策

妊娠中だからとって、花粉症への対応が特別変わることはありませんが、できるだけ花粉症にならないよう対策することも大切です。基本的には規則正しい生活が大事です。アレルギー疾患には自律神経の働きに影響を受ける部分も多く疲労やストレスが溜まると、自律神経が乱れて花粉症が起こりやすくなるので、十分な睡眠がとれるようにやリラックスできるように心がけましょう。また、ウォーキングやジョギング、水泳など適度な運動もストレス解消になるのでおすすめです。
糖質を控えた食習慣も重要と考えられています。
そのほか、次のような飲食物がすすめられています。

 

●乳酸菌
乳酸菌には、アレルギーが起こりにくい身体を作る働きがあるといわれています。ヨーグルトだけではなく、キムチや漬物、醤油、味噌などの発酵食品にも乳酸菌が含まれています。ただし、塩分を多く含む発酵食品の摂りすぎには注意しましょう。


逆に、香辛料は鼻の粘膜の毛細血管を拡張させ、鼻を詰まりやすくするので多く摂取するのは避けましょう。

 

そのほかやサングラス、マスクなどで花粉が目や鼻に入るのを防ぐことも大切です。また、自宅に入る前には頭から足まで叩いて、花粉をしっかり落とすようにしましょう。風邪の強い日にはたくさん花粉が舞っていますので、窓を開けたりベランダに洗濯物を干したりすることは避けましょう。

 

毎年のように花粉症にかかっている場合には、かかりつけ医に相談し、1月中旬~下旬ごろから点鼻薬や点眼薬を使い始めるとよいでしょう。そうすることで、鼻や目の粘膜を保護することができ、花粉に過剰に反応することを防ぐことができるため、春からかかる花粉症の症状を軽くできる可能性があります。

 

 

まとめ

花粉症の患者さんは年々増加傾向にあり、つらい症状に悩む妊婦さんも多いことでしょう。妊娠することによって、花粉症を発症したり症状が悪化したりするので、早めの対応が大切です。妊かかりつけ医と相談し、きちんと治療していきましょう。

 

監修者

医師 川島 正久 先生

産婦人科 | あんずクリニック産婦人科院長


静岡県磐田市生まれ。平成5年神戸大学医学部卒業、神戸市立中央市民病院/淀川キリスト教病院、磐田市立病院に勤務の後2011年にあんずクリニック産婦人科を開業「お産を通して人々に喜びを与える」をモットーに地域の人々のお役に立てるよう励んでいます。

 


経歴

■主な経歴

静岡県立磐田南高等学校卒業
筑波大学 生物学類中退
神戸大学医学部卒
1993年~1995年    神戸市立中央市民病院
1995年~1996年    六甲アイランド病院
1997年~2002年    若宮病院
2002年~2003年    日本医療救援機構(アフガニスタン)
2003年~2004年    浜松医大 産婦人科
2004年~2005年    蒲原病院
2005年~2008年    藤枝市立病院
2008年~2011年    磐田市立総合病院


2019/06/05


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