【医師監修】妊娠中の胸焼けはどうすればいい? 原因と対処法を解説

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胃部不快感のイメージ

 

妊娠してから、どうにもできない胸焼けに悩まされていませんか。胸焼けの症状は主に妊娠初期のころに起こるつわりとして現れたり、おなかが目立ってくるころに胃が刺激されて現れたりするものなどがあります。人によってつわりや胸焼けがひどくなる原因はさまざまです。また、1人目の妊娠では症状が軽かったのに2人目3人目ではひどくなるといったことも。今回は、妊娠による胸焼けの原因と対処法についてまとめました。

 

 

妊娠中の不快症状とは

つわりとは、妊娠初期に起こる不快な体の変化の総称で、「体のだるさ」「唾液の増加」「眠気」「頭痛」「食欲不振」「食べ物の好みの変化」などの症状や「胸焼け」「吐き気」といった症状もあり、妊娠した人の50%以上が経験します。

 

これらの症状は妊娠の成立に伴って増えるホルモンによる刺激が原因と考えられていますが、詳しいことはまだわかっていません。つわりの症状の1つである吐き気は空腹時に現れることもあり、食べ物や時には人のにおいによっても症状が強くなることもあります。
 

 

胸焼けと逆流性食道炎

つわりと同じく胸焼けの症状を起こす疾患としてよく知られるのが逆流性食道炎です。逆流性食道炎による胸焼けは、胃酸や胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流して食道粘膜が炎症を起こすことで現れる症状です。

 

逆流性食道炎は、脂肪分や刺激の多い食事、過食、ストレスや飲酒、たばこなどが原因で起こると考えられています。また、逆流性食道炎では、胸焼け以外にも喉のイガイガ感や声のかすれ、飲み込みにくさ、おなかの張りなどの症状があります。

 

 

妊娠時期別の胸焼けの症状と原因

まだ妊娠が判明していない時期に胸焼けが続くことで妊娠に気づくこともあるように、胸焼けは妊娠超初期からつわりの症状として現れることがあります。つわりの症状は妊娠初期に最もよく見られ、人によっては強い胸焼けが起こります。

 

胸焼けだけがつわりの症状として現れる人もいますが、吐き気や食欲不振、頭痛などの不快感を伴うこともあります。つわりの症状は人によってさまざまですが、赤ちゃんの状態とは関係ありません。

 

つわりの症状が落ち着いてくるのは妊娠中期に入るころ(妊娠10~15週ごろ)です。つわりの続く時期も人によって違うのですが、妊娠中期以降も引き続きつわりの症状が続く人もいます。なかには、つわりはなくなったようだけれど、胸焼けだけが続くという人もいます。

 

妊娠中期以降は、子宮が大きくなることにより胃が圧迫され、逆流性食道炎と同じく胃酸の逆流が起こりやすくなるため、胸焼けの症状が現れることもあります。そのため、妊娠中期になってつわりが治まった後、さらにおなかの大きくなった妊娠後期に再び胸焼けの症状が現れることもあります。
 

 

胸焼けがあるときの対処法

妊娠中のつわりの強さは人によって違いますが、つわりの症状のなかでも吐き気は空腹のときに悪化しやすいので、空腹にしない程度に少量ずつ何回も食事を摂りましょう。また、朝起きたら空腹を感じる前に何か食べることを心がけ、眠る直前の飲食は控えます。

 

つわり中は何が食べられるのか試してみないとわかりません。特に、においに敏感になることも多いのでにおいのある食べ物を避けたり、冷ました料理を食べたりするのもおすすめです。

 

白米のにおいが気になって食べられなくなる人もいれば、白米しか受け付けないという人もいるように、誰にでもおすすめできる食べ物はありません。西洋ではしょうがを含む食品がつわりの軽減に効果があるとされています(が国内では一般的ではありません)。

 

この時期は赤ちゃんのためにバランスの良い栄養を摂取しようと無理に食べようとしないで、なるべく消化の良い食べられるものを自分にちょうどいい量だけ食べましょう。

食事が十分に摂れない場合でも、脱水症状を防ぐために水分は十分に摂る必要があります。食事と同時に水も少量ずつ飲んだり、氷を口に含んだりすると胸焼けが抑えられる場合があります。また、水を受け付けない場合でも炭酸水やレモン水、グレープフルーツジュースなどは飲めるということもあります。吐くことが続いて水分が取れない場合には治療が必要になることもありますので、病院の担当医に相談しましょう。

 

つわりのひどくなるこの時期に重要なのが周りからの精神的なサポートです。家族の協力が得られないと精神的にまいってしまい、産後まで引きずることになりかねません。つわりで食事が摂れなくても時期が過ぎれば解消していきますし、的外れなアドバイスは聞き流すくらいの心構えも必要です。症状が軽いうちは、ウォーキングなどの適度な運動をすることも効果があります。

 

妊娠中期に入ってからの胸焼けはつわりのほかに、大きくなった子宮による直接的な刺激が考えられます。初期に比べて食べられるものは増えているかもしれませんが、胃にやさしい食べ物を摂るように心がけましょう。脂肪が多い食事や刺激が強い香辛料、味が濃い食事などは胃を刺激して胸焼けを誘発します。

 

また、おなかいっぱいに食べるのも胃に負担がかかるので、食事を何回かに分けて食べるのも良いでしょう。食後すぐ横になると、胃の内容が食道に逆流しやすくなるので、食後は起坐位(座って体を起こした状態)にしておくことも胸焼けの予防になります。また、仕事をしていてデスクワークなどで前かがみの姿勢になっていることが多い人は、妊娠中期以降は胃が圧迫されることで症状が出やすくなるので、背もたれのある椅子やソファなどでゆったりと休憩する時間を持ったほうが良いでしょう。
 

 

まとめ

妊娠すると女性の体は大きく変化します。生まれてくる赤ちゃんのためにも健やかな妊娠生活を送りたいものです。胸焼けなどのつわりの症状も自分に合った対処法を見つけて、穏やかに楽しく妊娠生活を送れるといいですね。

監修者

医師 川島 正久 先生

産婦人科 | あんずクリニック産婦人科院長


静岡県磐田市生まれ。平成5年神戸大学医学部卒業、神戸市立中央市民病院/淀川キリスト教病院、磐田市立病院に勤務の後2011年にあんずクリニック産婦人科を開業「お産を通して人々に喜びを与える」をモットーに地域の人々のお役に立てるよう励んでいます。

 


経歴

■主な経歴

静岡県立磐田南高等学校卒業
筑波大学 生物学類中退
神戸大学医学部卒
1993年~1995年    神戸市立中央市民病院
1995年~1996年    六甲アイランド病院
1997年~2002年    若宮病院
2002年~2003年    日本医療救援機構(アフガニスタン)
2003年~2004年    浜松医大 産婦人科
2004年~2005年    蒲原病院
2005年~2008年    藤枝市立病院
2008年~2011年    磐田市立総合病院


2019/09/06


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