【ファイナンシャルプランナー監修】高額療養費制度とは

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ファイナンシャルプランナー大野高志

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計 代表取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。

高額療養費制度とは、1カ月間に支払った医療費が、一定の自己負担限度額を超えたときに、超えた分が健康保険から払い戻される制度です。自己負担限度額は所得によって異なり、決められた計算式によって算出されます。勤務先や健康保険の種類によっては付加給付(追加の支給)がある場合もあります。

 

【ファイナンシャルプランナー監修】高額療養費制度とは

 

対象となる人

健康保険の加入者または被扶養者で、1カ月間に1病院において自己負担限度額を超えた人が対象になります。1カ月とは、その月の1日から月末までの期間で、入院などで月をまたぐ場合は、自己負担限度額を超えない場合があるので注意しましょう。自己負担限度額については、下表(70歳未満の自己負担限度額)をご参考に、詳細は加入している健康保険組合等にご確認ください。

 

高額療養費制度対象者

※1 標準報酬月額…健康保険料を決めるために計算される50等級に分かれる基準。各種手当を含む月給をベースに決定されます。国民健康保険に加入している場合は、標準報酬月額ではなく所得金額によって区分されます。

※2 総医療費…保険適用される前の診療費用(いわゆる10割負担の金額)です。

 

(例)健康保険が適用される前の総医療費が100万円で区分ウの場合
 80,100円+(100万円‐267,000円)×1% = 87,430円が自己負担額となります。

 

同一世帯の家族の合算が可能な場合も

70歳未満のみの世帯で1人につき1カ月間・1病院において自己負担額が21,000円を超えた場合は、同世帯での合算も可能です。ただし、ここでの同一世帯とは、同じ健康保険の被保険者と被扶養者であることが条件となります。なお、70歳以上の方がいる場合は、計算方法が異なりますので、ご加入の健康保険組合等にご確認ください。

 

1年のうちに3回以上支給を受けるとさらに減額措置

直近の12カ月の間にすでに3回以上高額医療費の支給を受けている場合、4回目からは「多数該当」となり、その月の負担額の上限がさらに引き下がります。金額は上表の「多数該当の自己負担限度額」の欄をご参照ください。

 

申請方法

あらかじめ長期にわたって入院することがわかっている場合は、事前に申請して、「健康保険限度額適用認定証」をもらっておきます。認定証の有効期限は最長で1年、延長する場合は再申請が必要です。緊急の場合は、窓口では3割負担で支払い、申請後に払い戻しをします。どちらの場合も、加入している健康保険組合等へ問い合わせましょう。

 

※本記事の内容は、2024年6月の更新時点での情報です。    

 

(監修/ファイナンシャルプランナー 大野高志)

 

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