古いメロンを食べたあと、腹痛と下痢が起こりました
妊娠14週です。昨朝、1週間ほど前にひと口大にカットして冷蔵庫に入れておいたメロンを食べ、夕方に突然、腹痛と水状の下痢がありました。「メロンを切ったあと、7日以内に食べなければ、リステリア菌の食中毒に感染する可能性がある」という内容の記事をインターネットで見つけたのですが、リステリア菌に感染したのではないかと心配です。夫にも同様の症状がありましたが、2人とも3回ほど下痢をしたあとは落ち着いており、その他の症状はありません。おなかの赤ちゃんへの影響が心配です。
感染性の下痢の大部分が細菌性であり、原因菌は黄色ブドウ球菌、大腸菌、腸炎ビブリオなどが多く、腹痛、水様性の下痢、鼓腸(腹部膨満)などの腸炎による症状が現れます。リステリア食中毒は、「リステリア・モノサイトゲネス」という細菌によって発症します。報告例の比較的少ない食中毒でしたが、2001年にナチュラルチーズによる集団食中毒が発生しています。乳製品、食肉、野菜など、さまざまな食品に存在しており、経口的に感染します。健康な成人では、下痢や嘔吐などの消化器症状よりも倦怠感や軽い発熱などの風邪様症状が出現することが多いのですが、無症状のケースも多いです。ただし、乳幼児、高齢者、妊婦、免疫機能低下者では、38~39度くらいの発熱、頭痛、嘔吐などの症状が出現し、重症化すると髄膜炎、敗血症を起こすこともあり、注意が必要です。妊娠中に感染した場合には胎児に影響し、流・早産、死産、新生児敗血症の原因になることもあります。感染から発症までには、数時間から数週間と幅があるため、原因食品の特定が難しいのが現状です。一般細菌感染(病原性のほとんどないいわゆる雑菌)によるものとの鑑別には、原因食品や下痢便からの細菌の培養検査が必要になります。リステリア菌は熱に弱いため、加熱調理することで感染を予防できます。一方、長期間の冷蔵保存によって菌が増殖するため、冷蔵庫で数日間保存している食品には注意が必要です。ご質問者の場合、軽度の下痢で治癒しているため、おそらく一般細菌による感染ではないかと思われますし、胎児にも影響はないものと思われます。