【医師監修】妊娠前の食生活改善

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師天神尚子 先生
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長

日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

そろそろ赤ちゃんが欲しいと思ったら、食生活の改善もすぐにスタートしましょう。赤ちゃんの脳や脊髄、内臓の基礎ができあがる妊娠の超初期のころ(つわり開始前)に母体の栄養状態が整っていないと、胎児の成長・発達などに影響しやすくなります。


栄養状態を改善するにはある程度時間もかかりますし、妊娠してつわりが始まってしまうと十分な栄養がとれなくなります。目安としては、妊娠の約1カ月前から食生活の改善を始めるようにしましょう。

基本は炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく取り入れた食生活を続けること。妊娠を意識したら、それらにプラスして「葉酸」「鉄分」「カルシウム」の3つの栄養素を多くとることを心掛けていきましょう。

 

【医師監修】妊娠前の食生活改善

 

 

朝・昼・晩3食の改善ポイント

栄養は毎日の食事からとるのが基本です。でも、ついつい「朝食は抜き」「昼食は外食のみ」「夕食の時間はバラバラ」というような食生活になっていませんか? 朝食を食べる時間がない、食べられない人は、就寝のタイミングを30分前倒しにし、その分30分早く起床して自炊する時間を作りましょう。

 

働いている人は昼食を外食やコンビニ弁当に頼ることが多くなりますが、できればお弁当を持参するか、栄養バランスのよい惣菜を利用するなどの工夫をしましょう。残業や夫の帰宅時間に合わせて夕食の時間がバラバラになることもあると思いますが、肥満を避けるためにも就寝の3時間前までには食べ終わるように心掛けましょう。

 

 

濃い味付け、嗜好品は徐々に控える

妊娠中の食生活で最も制限されるものの1つが「塩分」です。塩分をとり過ぎると「妊娠高血圧症候群」という病気になり、おなかの中の赤ちゃんに十分な血液が流れずに早産や胎児機能不全などの影響が現れることもあります。また、お菓子や高カロリーなおつまみなどの「嗜好品」のとり過ぎも妊娠高血圧症候群のリスクを高めます。食事の嗜好を急に変えるのはストレスになるので、妊娠前から少しずつ薄味に慣れ、嗜好品も少なくするよう心掛けていきましょう。

 

 

アレルギー除去食は妊娠後に主治医と相談

特定の食品にアレルギーがあるとわかっている場合、妊娠期にはそれらの食品を避け、他の食材で栄養を補充するように心掛けます。ただし、体質的、遺伝的に完璧に防ぐのは難しいかもしれません。自己判断せず、妊娠がわかったら医師に指示を仰ぐことが大切です。

 

 

妊娠を意識したらダイエットは中断

普段からダイエットをしている人は、妊娠を考えたら中断しましょう。極端な食事制限をしていると、女性ホルモンの乱れから排卵障害などが起こり、不妊の原因になりやすくなります。また、妊娠するとおなかや腰回りに脂肪がつき、体型は崩れやすくなりますが、それを怖れて過度に食事を制限したりハードな運動を継続していると、栄養不足から胎児の発育が遅くなったり、母体が疲れ過ぎて流産のリスクを高めることもあります。

 

 

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