妊娠高血圧症候群(旧 妊娠中毒症)について

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「妊娠高血圧症候群」は、以前は妊娠後期に高血圧、タンパク尿、むくみの3つ、またはいずれかの症状が現れることを指し、「妊娠中毒症」と言われていました。しかし、2004年に「妊娠中毒症」から「妊娠高血圧症候群」に病名が変更になり、2005年には用語・定義・分類が改定されました。それに伴い、現在では「妊娠中毒症」という名称は使われておらず、またむくみも定義から外されています。

 

妊娠時に高血圧を発症した場合、妊娠高血圧症候群といいます。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠と呼びます。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類されます。2018年からは蛋白尿を認めなくても肝機能障害、腎機能障害、神経障害、血液凝固障害や赤ちゃんの発育が不良になれば、妊娠高血圧腎症に分類されるようになりました。 


妊娠高血圧症候群になると血管が収縮して血液循環が悪くなり、赤ちゃんの発育に悪影響を与えたり、早産や未熟児産、死産が起こる可能性が高くなります。重症になると母体が子癇(しかん/けいれん発作)を起こすこともあり、母子ともに大変危険です。妊娠高血圧症候群の症状が現れたら症状が進行しないよう注意してください。

 

 

高血圧

収縮期血圧(最高血圧・上の血圧)が140mmHg以上(重症では160mmHg以上)、あるいは拡張期血圧(最低血圧・下の血圧)が90mmHg以上(重症では110mmHg以上)になった場合、高血圧が発症したといいます。

 

 

タンパク尿

妊娠高血圧症候群が進むとタンパク尿が出るようになります。腎臓の機能が低下して尿の中にタンパクが漏れ出すのが原因です。体からたんぱく質が失われることになり、赤ちゃんの発育に影響するほか産後に肝・腎機能障害を起こすこともあります。尿中に蛋白が1日当たり0.3g以上出ること(重症では2g以上)を蛋白尿を認めたといいます。

 

※参考:日本産婦人科学会HP「妊娠高血圧症候群」

 

妊娠高血圧症候群の予防

日常生活でできる妊娠高血圧症候群の予防、治療方法にはいくつかのポイントがあります。

まず、高血圧の要因となる塩分の摂取量を調理法を工夫するなどして1日7g以下に抑えましょう。赤ちゃんの発育に欠かせないたんぱく質を多めに摂ることも大切です。タンパク尿が出ている場合などは特に気をつけてください。卵、牛乳、乳製品、大豆、大豆製品、脂肪分の少ない肉などを積極的にメニューに取り入れましょう。

 

肥満は高血圧につながりますから体重が増え過ぎないよう低カロリーの食事を心掛けましょう。1日の摂取カロリーは1,800キロカロリー以下が目安です。たんぱく質をしっかり摂る分、間食をやめる、脂っこい料理は控えるといった工夫をしてください。

食事の内容に気をつけるとともに心身の休養も大切です。ストレスは血圧を上昇させ、安静にしていると血圧も下がり赤ちゃんの発育に良い影響を与えます。

 

 

こんな人は特に気をつけましょう

次にあてはまる人は妊娠高血圧症候群にかかりやすいタイプです。日頃から十分に注意しましょう。

 

  • ・高血圧、糖尿病、腎臓病の持病、病歴がある、家族にこれらの病気がある人

  • ・35歳以上の高年出産、15歳以下の若年出産の人

  • ・初産の人や前回の妊娠で妊娠高血圧症候群になった人

  • ・太りすぎの人

  • ・睡眠不足やストレスがたまっている人

 

 

おいしい減塩料理のコツ

妊娠高血圧症候群を防ぐためには塩分を控えることが大切です。でも、塩分を少なくするだけでは味が薄く物足りない料理になってしまいます。そこで、こんな工夫をしてみましょう。

 

  • ・レモンや酢などの酸味をきかせる

  • ・しょうが、にんにく、しそ、ハーブなどの香味野菜を活用する

  • ・塩は1種類のおかずにポイントを絞って使う

  • ・天然食品からだしをとる

  • ・調味料は小皿に取り、つけて食べる

  •  

 

妊娠高血圧症候群についての体験談

里帰り出産のために実家へ帰省しました。実家ではついつい食べすぎてしまい、しかも家事は全部母親まかせで一挙に体重が増えました。尿たんぱくは出なかったものの、血圧も上がって上が140下が96と立派な妊娠高血圧症候群だとお医者さんから厳重注意されました。3食昼寝つきだったから当然の結果かもしれません。

36歳の初産、太り気味、高血圧の家系と、妊娠高血圧症候群の条件がそろっていたので気をつけました。……と言うより、周りからうるさいくらいに注意され、気が抜けませんでした。
私のおすすめは大豆料理。植物性たんぱく質なので体にいいし、大豆は血圧を下げる効果もあるとか。五目豆や、豆のスープ、豆のカレーなど、水煮缶を使えば簡単ですよ。

健康管理には気をつけていたのに、臨月に入ってからの健診で急に血圧が高くなっていてびっくり。念のため1週間後に再検査したら正常値だったのでほっとしました。お医者さまからは、お産が近づくと不安や緊張から血圧が上がることもあるのでリラックスするようにと言われました。

(監修/天神尚子先生)

 

監修者

医師 天神尚子 先生

産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長


日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。


経歴

1981年 日本医科大学医学部卒業
1988年 米国ローレンスリバモア国立研究所 留学
1994年 日本医科大学 産婦人科学講師
1995年 東京都教職員互助会三楽病院 産婦人科科長
1995年 日本医科大学 産婦人科学客員講師
2004年 三鷹レディースクリニック開業


2018/08/14


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